「新書は新聞、食べ物はテレビ、パソコンはネットで」情報収集元に関する調査結果

2007年05月12日 12:00

【日経リサーチ】は5月9日、消費者がどのようなメディアから商品の情報を収集しているのか、その情報源について商品ジャンル別に調査した結果を発表した(【発表ページ】)。それによると、書籍は新聞で、食品はテレビで、などのように商品ジャンルによって参考にするメディアに大きな違いがあることが明らかになった。

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今調査は3月15日から20日までの間、16歳から69歳までの男女を対象に行われ、有効回答数は5312人分となった。

主要公開データは次の通り。

各商品ジャンルごとの情報収集源。
各商品ジャンルごとの情報収集源。

調査対象に上がった各商品ジャンルでは、ほぼ「店頭(で実物を見て)」という回答がもっとも多く、「実際に本物の商品を見て触って直に観ないと真の情報は分からない」という傾向が明らかになった。しかしながら特定ジャンル、例えば「車・バイク」「レジャー」「外食」「教育・学習」など、「店頭で実物の商品を眺める」ことが難しい(あるいは手間がかかる)商品ジャンルでは、テレビやインターネットのサイト、掲示板などのネット上口コミサイトから情報を入手する傾向が強いことが分かる。要は「経験のハードルが高いものは、他人の実体験を聞いて参考にしたり、あるいはテレビで目にしたものをチェックしてみよう」という消費行動パターンがあるのだろう。

その他にも特定商品ジャンルでは、非常に興味深い傾向が見受けられる。

●書籍は新聞による影響力が依然強い、ネットでの紹介もインパクトがある

書籍はやはり「立ち読み」などによる店頭での情報収集がもっとも高いが、それに続いて新聞をあげた人が多い。これは新聞の書籍評論コラムなど、というよりは新聞の下部にずらりと並ぶ新刊・話題本の広告が幅を利かせているのだろう。実際当方も何度と無く参考にして新刊を買ったことがあるし、本屋でも新聞の新刊広告の切抜きを持って「これ、ありますか?」と店員に聞いている様子を多数目にしている。

そのような情景を観るたびに、「携帯電話がもっと広範囲に普及すれば、あの広告部分にQRコードを載せて一発予約させたり、あるいは情報をそのまま転送できるようにすればもっとわかりやすくなるのに」と思うのだがどうだろうか。

また、インターネット(掲示板などをのぞく)によるものも多い。これは新刊の最新情報を公式サイトから入手して実際に本屋へ足を運んだりサイト上から注文する、という行動パターンによるものだろう。アマゾンや楽天市場などの書籍取り扱いネット通販サイトも含まれるに違いない。

食品はテレビによる情報収集が多い……というより影響されている?

食品は店頭意外ではテレビによる情報収集の割合が多い。これは「テレビを見て食品の情報を収集しましょう」という積極的情報収集活動、というよりは、テレビ番組を見てその内容に感化され、結果として食品の情報を入手したという流れによるものと思われる。

例えば「カレーの美味しい食べ方」を特集している番組を何気なく目にし、「なるほど、あれをスパイスとして入れると美味しくなるのか。今日早速やってみよう」とカレーを買う購入行動のきっかけとなったり、「チョココロネパンは尻尾のパンの部分をちぎって、頭のチョコの部分につけて食べるとチョコをはみ出さずに食べられる、ねぇ……」という話が語られているのを見て、ついコンビニのパンコーナーでチョココロネを手にしてしまう、という具合だ。


元資料では他にも「掲示板・ブログなどの口コミサイトは全般的にそれなりの影響力、情報収集源と成りえているが、飛びぬけたものはない」「書籍の情報収集は年代が上がるほど新聞からの影響度が高い」「食品の情報は女性はテレビ、男性はネットからが高い」「外食では女性がフリーペーパーを特に利用している」などをあげている。

ネットや携帯電話、フリーペーパーなど新しいメディアが次々と登場し、既存メディアと激しいつばぜり合いを繰り広げている。それぞれの商品ジャンルや年齢・性別ごとに、実際に広範囲に用いられているメディアの種類と傾向は千差万別で、「携帯だったら何でもOK」というワケにはいかないようだ。広告展開を考える場合、対象となる商品のジャンルがどのメディアにもっとも適しているのか、それを見極めた上で広告展開をする必要があるのだろう。

また、上記書籍の新聞広告で例に挙げたように、既存メディアと新興メディアの融合的な広告展開(新聞広告にQRコードを載せてみる、など)も有効な手段として、今後多方面で用いられるに違いない。

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