値上げされるのは「トロピカーナ ピュアプレミアム」「トロピカーナ ホームメイドスタイル」「トロピカーナ 100％ジュース」の三種類。それぞれ1割から2割程度の値上げとなる。また「トロピカーナ 100％ジュース｣ 1000mlゲーブルトップは値上げ前の5月21日で販売を終了する。

値上げの理由についてリリースでは「原油高」「円安」「国際的な需要増加」を大きな理由としてあげ、特にグレープフルーツやオレンジが「フロリダ州のハリケーン被害」「ブラジルの低温被害」「バイオエタノール材料のさとうきびへの転作」による供給量が激減した一方、ロシアや中国の需要増で国際価格が高止まりを見せているから、と説明している。

詳細は【ジュースの値上げ、非遺伝子組み換え食品の調達難～バイオエタノールの功罪】で詳しく説明したが、さまざまな要因が重なり、特にバイオエタノールの生産が儲かるために多くの農家がその方面に転作した関係で供給量が減ったことが痛手となっている。

すでに【キユーピー、17年ぶりにマヨネーズ値上げ・バイオエタノール普及の影響】で報じたように、マヨネーズや食用油などの値上げも決まっている。「風が吹けばおけ屋が儲かる」ではないが、燃料不足と地球温暖化対策のために推奨されているバイオエタノールの普及と量産が、多方面に問題を引き起こしている様相が見て取れる。これを「妙にバランスを崩した結果」ととるのか、「やっていなければもっと状況は悪化した」と見るのかは判断が付きにくい。

少なくとも一つだけ確かなことは、今後もバイオエタノールの生産体制強化が叫ばれる中で、さまざまな「ひずみ」が多方面で見えてくるということだろう。

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(最終更新:2013/08/21)