「つかみ」を得られるマジックキーワードを考える
2007年05月06日 19:35
先に【「つかみ」を得られるタイトルと見出し】でも述べた、「タイトルにどのような言葉を用いれば『つかみ』を得られる」のかという話の続編的な話。一部は先の記事と重複する部分があるが、自分自身の考えをまとめる意味もあわせ、ここで絡めてみることにする。
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●「?」と「!」と「なるほど」自分なりの追加点
単につかみを得るためだけなら、ウソ偽りでも極度の誇張でもかまわないので(それこそ三流週刊誌なりタブロイド紙の見出しのような)、インパクトを全(前)面に押し出せばよいだけの話。ただそれでは「オオカミ少年」どころか記事そのものの信頼性すら損なわれてしまう。
基本的なコンセプトは先の記事でも語られているが、当方で加えるとすれば次のような要素となるだろう。
・「!」……驚き、インパクトの強い単語、言い回し
・「?」……短い中にも読み手に「そういえば」「おや?」と思わせ、注意をひきつける語り
・「なるほど」……タイトルに引かれて本文を読み、「なるほど」と思わせるようなタイトル。逆にいえば、そうなるような期待感。
この三要素が、読み手を「ライバル記事」を差し置いて注意を引きつかせるポイントとなるのだろう。
また、前回の記事で「感心した事例」としてあげた、山田真哉先生の著書のタイトルにも、いくつかのヒントが隠されている。上記三要素と重なる部分もあるが、「身近な、誰もが知っているキーワードを連結させて!や?を誘う」「シンプルな言葉の中に秘められた新しい発見を得られる予感を読み手に感じさせる」というものだ。
そう考えた上で『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』や『食い逃げされてもバイトは雇うな』のタイトルを読み返してみると、「なるほど」と思うことだろう。
例えば「さおだけ屋~」。「さおだけ屋」は皆が知っている。タイトルを読み進めると、「そういや、そうだな。あまりさおだけが売れている様子はないが、どうして商売がうまくやっていけるんだろう」と「?」が浮かぶ。そして本書を読むと、「なるほど、そういうことだったのね」とタイトルで生じた「?」を「なるほど」に替えられる、あるいは読むことでそうなるだろうと期待させてくれるわけだ。
●「つかみ」を得られる「マジックキーワード」
ここでもう一つ、新しい参考文献を取り出してみる。少々古い本になるが、『お金があふれる会社の法則』というもの。小規模な会社のマネジメントに関するテクニック本だが、その中に「つかまないキャッチ」というものがある。
逆説的な話で、書籍ならタイトル・サイトなら最初に目に留まる見出し(RSSならタイトル)、商品ならネーミング、これらの「つかみ」のポイントだけで、結果の8割以上を左右することもあるから、注意しよう、というものだ。耳が痛いことである(今書は領域的に別物だが、サイト運営につながるヒントも多数得ることができる。機会があればいくつか紹介することにしよう)。
ここではその項目に挙げられていた「マジックキーワード」のうち、サイトの記事に使えそうなものをピックアップし、さらにいくつか当方で独自に加えてみたリストを掲示する。
「あなた」……最強のキーワード。誰もが自分に関心がある。
「無料」……目を引く。無料招待券やキャンペーン、チケットの話では必須。
「?」……上記リスト中と同じ理由。質問があれば人はつい答えを探すもの。
「こんな」……指定代名詞があると「中身はナニかな?」とチェックしたくなる。
「3つの」……具体的数字には力がある。特に「3」には効果があるとのこと。
「!」……インパクトを簡単につけるステキ記号。
「お金」……金銭的な表現は目を引く。
「損失」……読まなかったらこれだけ損をするかも、ということを暗示させる。
「具体的数字」……あいまいな数字よりもはっきりした数字で正確さを。
「コツ」「テクニック」「ワザ」……誰もが簡単にノウハウを身につけたい。
リスト化した本人がいうべきことではないのかもしれないが、いかにこれまで自分がこの「原則」すらロクに守っていなかったことが分かる。やれやれだ。
……と、「やれやれ」と溜息混じりに吐いてみたわけだが、もちろんこれらの要素はあくまでも「タイトル考察時に検討すべき一要素」に過ぎない。ブログやサイトのおおもとのカラーを崩すようなタイトルを作り出してしまっては本末転倒。
例えば当サイトは「他愛も無い」とはあるが、どちらかというと硬派側に針が振れている(……と思う)。もし仮に記事のタイトルが「どうみてもゴシップ紙のような軟派なノリ」や「女性週刊誌のようなあおりまくりの表記」さらには「大人向け大衆紙のごときアダルツな表現」ばかりになったら、読者の皆さんはどう思うだろうか。いや、読者云々もあるが、当方自身が自分を許せなくなる(笑)。
エッセンス、あるいは調味料的に「マジックキーワード」をはじめとしたこれらの考え方を使うのは良いが、それに振り回されてはならない。自戒も含め、注意したいところだ。
(最終更新:2013/09/08)
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