「野球選手」と「食べ物屋さん」がトップ・男女のなりたい職業調査
2007年05月06日 12:00
【第一日本生命】は4月27日、2006年7月から8月にかけて全国の幼・児童(保育園・幼稚園・小学校1~6年生)を対象に行った「大人になったらなりたいもの」アンケート調査結果を発表した(【発表リリース、PDF】)。それによると、男子がもっともあこがれる職業は「野球選手」、女子は「食べ物屋さん」と人気の職業トップに変化はないことが明らかになった。
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男子の上位三位は「野球選手」「サッカー選手」「学者・博士」でこれは3年間変わらずの上位キープ陣。女子は「食べ物屋」「保育園・幼稚園の先生」「看護師」の順だが、毎年上位入りしていた「花屋さん」(昨年は5位)が12位まで落ちるなどの大きな変動もあった。
内容を色々見てみると興味深いデータがいくつも見受けられるが、そのうち特に気になるものをいくつかピックアップしてみる。
●プロ野球選手とサッカー選手
男子の憧れの二大スポーツ選手といえば「プロ野球」と「サッカー」。世間一般のスポーツ競技の盛り上がりとあわせ、子どもがいかに憧れるかが人気のバロメーターの一つとなる。そこで、1989年以降の両スポーツの「なりたい順」をリストアップしてみる。
1989年 野球選手(1位)、サッカー選手(4位)
1990年 野球選手(1位)、サッカー選手(4位)
1991年 野球選手(1位)、サッカー選手(3位)
1992年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位)
1993年 サッカー選手(1位)、野球選手(8位) (「ドーハの悲劇」、Jリーグ開催)
1994年 サッカー選手(1位)、野球選手(2位)
1995年 サッカー選手(1位)、野球選手(2位)
1996年 サッカー選手(1位)、野球選手(1位)
1997年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位) (ワールドカップで初の本戦出場)
1998年 野球選手(4位)、サッカー選手(5位)
1999年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位)
2000年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位)
2001年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位) (プロ野球放送のテレビ視聴率低下傾向)
2002年 サッカー選手(2位)、野球選手(3位) (日本などでワールドカップ開催)
2003年 サッカー選手(1位)、野球選手(2位)
2004年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位) (プロ野球再編問題、プレーオフ制度導入)
2005年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位) (初のセ・パ交流戦)
2006年 野球選手(1位)、サッカー選手(2位) (WBCで日本チーム優勝)
両者ともベスト3落ちした1998年が気になるところだが(ちなみにその年は大工さん、学者・博士、食べ物屋さんの順)、それ以外は「サッカーで世間が盛り上がるとサッカー選手になりたい男子が増える」という傾向が容易に見て取れる。ただ、1993年以降のJリーグの盛り上がり第一期と比べると、それ以降の盛り上がりはさほど継続性が無いようにも見受けられる。
●男子は世間に流されやすく、女子は母性本能から?
直上のサッカー選手と野球選手の上位ランキングを見れば分かるように、男子は「格好いい」プロスポーツ選手を主軸にしながらも、世間の流れや盛り上がりに多分に影響されやすい傾向を持っている。
例えば、野球・サッカー選手以外がトップを飾った年などを抽出して見ると、次のような世情がうかがえる。
1993年……「サッカー選手」「学者・博士」「食べ物屋さん」「宇宙飛行士」
→ 第19回主要国首脳会議(サミット)東京都で開催。与野党逆転。
1992年に毛利衛氏が日本人初のスペースシャトルによる宇宙飛行士に。
1998年……「大工さん」「学者・博士」「食べ物屋さん」
→明石海峡大橋、白鳥大橋開通。
2002年……「学者・博士」「サッカー選手」「野球選手」
→小柴昌俊東京大学名誉教授がノーベル物理学賞、田中耕一島津製作所社員がノーベル化学賞を受賞。
一方で女子は、昔から今に至るまで「食べ物屋さん(お菓子屋さん)」「保育園・幼稚園の先生」「看護師さん」「学校の先生」など、母性本能をくすぐる職業が常に上位に来ているのが分かる。ある意味本性に忠実、ある意味リアリストといえるだろう(花屋さんが今年に入って10位から外れたのは理由が分からない)。
特に最近は、料理の達人ことパティシエが話題に登ることが多く、女性が活躍する場がよくテレビや雑誌などに登場することから、人気はますます高くなる傾向にある。
「男はロマンチスト、女はリアリスト」という、あまり夢の無い(笑)話ではあるが、案外これが現実なのかもしれない。
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