緑茶を一日五杯以上飲むと脳こうそくにかかりにくくなる? 東北大准教授が確認
2007年05月06日 12:00
東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野・栗山進一助教授、同・辻 一郎教授らの研究グループは2006年9月13日、緑茶を多くの飲んでいる人は循環器疾患の死亡リスクが低く、特に脳こうそくでは女性で31%もの低下が確認できたと発表した【発表リリース、PDF】。
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リリースによると今回の調査は、昔から緑茶に含まれるポリフェノールが循環器疾患やがんに「効く」との話が細胞レベルや動物実験で確認されていることを受け、人に対する調査結果を得るために行われたもの。宮崎県に居住する40歳から79歳の4万530人を対象に大規模な追跡調査を同グループ続けている。
調査対象を緑茶摂取量で1日1杯未満、1~2杯、3~4杯、5杯以上のグループに分けて、死亡リスクや発症リスクを計測したところ、男女とも「緑茶を多く摂取するほど全死因死亡リスクが統計学的に有意に低下」「特に女性ではその傾向が著しい」という結果が出た。具体的には1杯未満と比較すると、5杯以上は男性で12%、女性では23%も低下していたという。
さらに循環器疾患では男性で22%、女性で31%。その他にも脳血管障害、とりわけ脳こうそくで「緑茶を多く飲んでいた方がリスクの低下が著しい」という結果が見られたとのこと。なお緑茶の飲んでいる量と「がん」のリスクとの関連性は見つからなかったという。
リリースでは今回の調査を受けて「緑茶を適量飲めば、動脈硬化性疾患リスクを低下させ、ヒトの寿命を延伸させる可能性を示した」「今後緑茶に含まれる有効成分の特定をすることで、動脈硬化の予防・治療に対する応用が期待される」と述べている。
栗山進一助教授らのグループは他にも【認知障害には1日2杯の緑茶が効果的!? 東北大調査結果】にあるように、緑茶を飲むと認知障害に効果がある旨の報告をしている。他方ライバル(?)ともいえる紅茶でも、【1日3杯の紅茶でがん予防などの健康増進効果が、イギリスメディア伝える】などにあるような、さまざまな健康促進効果があると伝えられている。
素人考えとしては「両方飲むのは酷だから、十六茶みたいに両方混ぜたお茶を日頃飲んでいればいいのかな」と思ってしまうのだが、どうだろうか。少なくとも、砂糖漬けの炭酸飲料や清涼飲料水を飲むより健康によいのは間違いなさそうだ。
ちなみに今回の記事のトリガーとなったのは【日経新聞の記事(おおもとは共同通信)】。ソースを調べたところ今回提示したように、「去年の9月」に出たことが明らかになっている。元記事では「5月4日までにまとめた」とあり、確かに昨年の9月でも「5月4日まで」に違いはないのだが、なぜ半年以上も経過した今になって、この素材をニュースにしたのか。「緑茶が身体に良いことが統計学的に裏付けられた」という話は良い話なので、今回当方でもピックアップしたのだが、少々不思議である。
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