FXで約2億7000万円の所得税脱税をした個人投資家、逮捕

2007年05月10日 08:00

株式イメージ先に【個人投資家、先物などの利益7億6000万円の脱税で告発】で報じた、外国証拠金取引(FX)で巨額の利益を得ながら納税していなかったとし検察庁に告発されていた東京豊島区の個人投資家小玉昭彦氏(64)が、5月9日に所得税法違反の疑いで東京地検特捜部によって逮捕された。また、関係先への家宅捜索も行われた([このページ(jiji.com)は掲載が終了しています])。

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詳細は先の告発された際の記事にあるとおりだが、3億5000万円の遺産を元手にFXで収益をあげ、さらにアメリカのカトリーナハリケーンによる原油価格の高騰を機会に原油先物取引でも巨額の利益を得ていたにも関わらず、一昨年までの2年間で7億6900万円の所得を隠し、2億7000万円もの所得税を脱税した疑いがもたれている。

同氏はシンガポールの証券会社に自分の名義だけでなくタックスヘイブンに作った投資ファンド名義(「知人を代表に就任させた海外のペーパー会社名義」という表現)で口座を開設。利益を隠蔽していた。個人名義分は容疑を認めているが、会社名義分は「利益は会社のもので、会社自身は遺産を残した父がアジアの学生に学資を寄付するために設立した」と供述し、容疑を否認している(しかしこれも先の記事にあるように「海外取引だし黙っていれば分からないと思った」と答えている)。

なお先の記事で指摘したように、同氏が元パイオニアのかなりの地位にいた人物であり、現在は小玉総合研究所の代表を勤めていることも確認された。

FXについては先に【主婦が外為取引で4億円を脱税、東京地検に告発される】でも報じたように、最近遺産相続などでまとまったキャッシュを手に入れた老齢な投資家が短期に大きな利益を挙げ、申告せずに脱税容疑でお縄になるという話が相次いでいる。一方、これらの話が大きく伝えられるようになり、「短期間で投資額の何倍もの利益が得られる」部分だけが誇張され「あなたもFXで大儲け」的な記事が各大衆紙のコピーに踊るようになった。「問題行為」による報道がFXの宣伝になってしまったという皮肉な例といえる。

とはいえ、短期間に何倍も儲けられる可能性がある、ということは同時にそれだけ「損をする可能性もある」ということ。関連法令の改定で悪質業者はかなり数を減らしたものの、それでもなお昨今のニュースを例示して「これだけ誰でも儲けられるのだから」と言葉巧みに素人にアプローチをかけてくる業者も多いだろう。投資はあくまでも自己責任。リターンが多ければそれに比類してリスクも大きくなることにくれぐれもご注意あれ。

(最終更新:2013/08/21)

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