DCM Japan株のインサイダー取引で札幌地検が設計会社社長を逮捕へ
2007年05月10日 08:00
【北海道新聞】などが報じたところによると、2006年9月にカーマ・ダイキ・ホーマック三社のホームセンターの合併で日本最大手となった【DCM Japanホールディングス(3050)】の経営統合に絡み、情報を事前に入手した東京のデザイン会社社長がインサイダー取引で数千万円の利益を得ていたとし、本日10日にも札幌地検と証券取引等監視委員会は同社社長自宅やDCM Japanを家宅捜索する。また、現在のDCM Japanの社長で統合前のホーマックの会長だった前田勝敏氏からも事情聴取を行い、内部情報がデザイン会社社長に伝わった経緯を調べるという。地検がインサイダー取引の(証券取引等監視委員会による金融庁への)告発の段階で動くのは珍しい話で、多くの報道機関もこれを伝えている。
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北海道新聞の記事によれば、インサイダー取引をしているとされるデザイン会社社長は2005年7月11日の経営統合の発表以前にホーマックとカーマの株式を買い付け、発表後にそれぞれ材料株として値を上げた後に売却。数百万円の利益を得ていたという。
報じられている各記事を斜め読みした限りでは現段階において該当会社の実名は挙げられていないものの「東京杉並区の商業店舗設計会社社長(52)」「北海道出身の一級建築士」「1985年に東京で会社を設立」「北海道内外で大型商業施設などの建設デザインを手がける」「ホーマックの主要店舗のデザインを20年以上前から担当」「デザインに関する賞を受賞し、著書も出している」「社長は自社のサイトでホーマック幹部との交流を披露」と事細かに報じられており、メディアにはすでに該当会社が判明しているものと思われる(ちなみにこれらの条件で検索すると、いくつか該当する会社がリストアップできるが、確証が持てないのでここでは触れない)。
本日地検が実際に動き、証券取引等監視委員会から金融庁への告発が発表されれば、具体社名など詳細が明らかになることだろう。一部報道ではホーマックの取締役からデザイン会社に事前情報が流れ、それを利用したとの話もある。
株価に影響する経営情報が、関連する外部スタッフからもれたり悪用されるという話はよく聞く話。しかし「悪銭身につかず」(easy come, easy go)の言葉どおり、「してはいけないこと」をして小銭を稼いでも、その何倍もの報いを受けることになる。最近特に新興企業銘柄でインサイダーもどきに見える値動きを見かけるが、摘発すべき部門は大回転で責務を果たし、彼らに「逃げ得、やり得」などと思わせないようにしてほしいものだ。
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