アクセス解析サービス「Crazy Egg」を試してみる(3)計測データから色々考えてみる
2007年05月20日 19:35
海外のステキアクセス解析サービス【Crazy Egg】の無料お試し版を使い、サイトやブログの読者のアクセス動向をチェックしてみようという試みその3。最後にアクセス解析結果を元に、色々と考えてみようという話。
スポンサードリンク
おおもとの紹介記事【All About】でも力説していたが、今サービス「Crazy Egg」はそのアクセス解析結果を見て「面白いねー」でオシマイにするのではなく、その結果を元に自分のサイトの再評価を行い、改良すべき点を抽出して手を加えるべく、色々と検討材料を導き出すのが利用目的であるといえる。
実際に今回の実験結果からも実に多くの検証データが得られ、非常に参考になった。ここではそのうち一部について、簡単にまとめてみることにしよう。
●記事に連なる「関連記事」は効果がある
最近のブログシステムでは各記事のタグを元に、自動的に類似記事の一覧を記事巻末に表示する機能があると聞く。当サイトが利用しているMovableType3.17Jではそのような機能はなく、仮にプラグインなどで存在していたとしてもシステムが重たくなるのは必至なのであえてつけていない。代わりに各記事の制作段階で、自サイト内の記事を検索しなおし、類するものについて手動で貼り付けている。
元記事の内容や列している記事のタイトルにもよるのだろうが、例えば【100年前の日本を写真で追体験・日本写真史の黎明期の古写真が続々公開】のページの場合、最後に掲載したサイト内部の関連3記事について、合計で17人の人がガイドに従い閲覧している。比率的には17/1000だから1.7%に過ぎないが、それでも1.7%の人が元記事に興味を抱き、さらに深い探求を求めて当サイトの別ページでその知的好奇心を充足させようと考え、閲覧したことになる。
「100年前の日本を写真で追体験・日本写真史の黎明期の古写真が続々公開」に連なる「関連記事」。利用率は1.7%。
この「関連記事」を入力するのは記事制作時において案外手間がかかるものなのだが、実際に利用する人がいるのが分かると、やはり嬉しいものだ。
●画面には「何かある」と考える
クリックはユーザーの具体的、意志を持った行動によるもので、そこには何らかの欲求が伴うものである。これは検索エンジンの利用に類するもので、ユーザーの心理動向の検証の上でも非常に興味深い内容といえる。
「100年前の日本を写真で追体験・日本写真史の黎明期の古写真が続々公開」の記事では、トップのキャッチ的カットも含め数点の画像を掲載した。これらにはリンクの設定はされていないが、それでも多数のクリックが確認できた。
「100年前の日本を写真で追体験・日本写真史の黎明期の古写真が続々公開」の写真のクリック動向。実際には何も起きないのに、結構な数の人が何かを求めてクリックしているのが分かる。
クリックをするからにはその読者は「クリックすれば何かがあるかも、先に何か別のページが紹介されているのかも」と考えているに違いない。実際には何もないのだが、その場合、度合の差はあれども何らかの失望感を持ったことだろう。例えば今写真なら該当するサイトへのリンクを貼るなど、今後改善すべき課題といえる。
……ちなみに水着のダイナマイツな肢体の女性の写真を貼ってみたらどうなるか、と思ったのだが今回はあえてしなかった。そもそもそのような写真を貼る記事の作成の機会がないし、ある程度結果は想定できるからだ(笑)。
●リンク掲示には分かりやすい言葉が必要
リンク設定の際には基本的にリンク先のページの概略やサイト名そのものを表記しているのだが、読者はその中でも「分かりやすい単語に目を留めてカーソルを合わせクリックしている」傾向が見て取れた。
同じリンク設定の部分でも「メタ」「データ」「日本」「昭和」など、簡素な単語に注目している様子が分かる。
当サイトでは基本的に画面からのリンク以外では「【】」で囲って、その部分がリンクであることを表している。カッコ内部ならどこをクリックしても掲示先にジャンプできるのだが、読者は認識しやすい簡易な単語に目を留め、マウスカーソルを動かし、クリックしているようだ。単にリンクの中央部をクリックしているのかと思っていたが、その認識が大間違いであることが判明した。まさにびっくり。
逆に考えれば、リンク先の指定には(飛び先の説明をする必要があるのはもちろんだが)分かりやすい単語を用いる必要がある、そのような表記をすれば多くの人が利用してくれるということなのだろう。
以上、三つほど「Crazy Egg」のアクセス解析から推測できることを挙げてみた。実際にはもっと多くのことが分かるだろうし、各自のサイトごとの特徴も把握できるに違いない。特に読者が自分のブログなどに目を通しつつ、どのようなことを考え行動を起こしているのかが「クリック行動から」おぼろげながらも分かるのは、非常に興味深い。
サイトやブログを持っている人は、ぜひ一度試してみて、自分の運営しているブログなどの改善に役立ててほしい。
■一連の記事:
【アクセス解析サービス「Crazy Egg」を試してみる(1)設置】
【アクセス解析サービス「Crazy Egg」を試してみる(2)計測データの確認】
【アクセス解析サービス「Crazy Egg」を試してみる(3)計測データから色々考えてみる】
(最終更新:2013/08/21)
スポンサードリンク
ツイート