【更新】地球環境もメタボ対策!? 政府が1人1日1キロ「二酸化炭素ダイエット」を提唱
2007年05月26日 12:00
安倍晋三総理は5月24日、国際交流会議「アジアの未来」晩餐会で演説を行い、その中で京都議定書に掲げられた二酸化炭素などの温室効果ガス削減のため、「1人1日1キロの温室効果ガス削減」をモットーとした国民運動を展開していくことを明らかにした(【演説内容議事録】)。
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演説では2050年までに世界の温室効果ガスの排出量を現在の基準の半分にすることを目標に、長期的・中期的目標の設定と共に国民運動の展開を提唱。特に二酸化炭素の排出量の伸びが大きいオフィスや家庭を中心に、今年度宙に京都議定書目標達成計画を見直すとした上で、
「1人1日1キログラム」の温室効果ガスの削減をモットーとして、ライフスタイルの見直しや、家庭と職場での努力や工夫を呼びかけます。具体的には、クールビズの定着、ゴミの減量、白熱球の蛍光ランプへの交換、省エネルギーのアドバイス事業などを推進します。
さらに、国民運動の展開については、新しい提案を公募し、効果が確認されれば、積極的に採用していきたいと考えています。
と語り、国民一人一人に二酸化炭素削減へのアクションを求める方策を行うことを明らかにした。
提案の公募や具体的内容は議事録上の記載には無く、環境省や首相官邸のサイトにも見当たらなかったが、[読売新聞の報道]によると具体的な指標として
・目標の「1キログラムの二酸化炭素」はサッカーボール100個分の体積に相当。
・シャワーの時間を1分減らすと74グラム削減。
・マイバックを利用して過剰包装を断ると62グラム削減。
など具体例を挙げて採るべき行動を示しているという。さらに現在の政府案では目標の「1人1日1キログラム」には届かないため、さらに良いアイディアを国民から求めるとのこと(パブリックコメントの募集の形となるのだろう)。
仮に国民全員が「1人1日1キログラム」に成功すれば、年間4700万トンの二酸化炭素削減につながることになる。これは政府が京都議定書で目標としている「家庭部門で年間3800万トン」をクリアできる数字。
具体的内容は政府側の発表を待たねばならないが、身近なところから地球環境の改善に貢献できるといった話は結構面白いものがある。ただし昨今の世知辛い世情を考えると、単に「地球温暖化防止に役立つ云々」だけでは積極的に行動を起こす人がどれほど増えるか疑問視されるところもある。
ここは多くの人がうなづき、納得し、実行するであろう「倹約」と結びつけ、節約できる「お金」を併記してみてはどうだろうか。例えば「シャワー」の件なら「水道料金も○円節約できる」、マイバックなら「レジ袋代×円が節約できる」などといった具合だ。「二酸化炭素と家計の支出、両方ダイエット」を政府自らが訴えかければ、もっと多くの人が積極的に耳を傾けることだろう。
もっとも支出の削減は消費の削減でもあり、国内需要の減少にもつながりかねないという懸念もあるが。
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