セルシスなどがアニメやゲームの「声」を作成するソフトを開発、7月までにリリース

2007年05月04日 12:30

録音イメージ【セルシス(3829)】【アニモ】は5月1日、アニモの音声合成ライブラリ「FineSpeech」の技術を活用し、アニメーションやゲームの声の素材を作成するソフトを共同で開発すると発表した(【発表リリース、PDF】)。7月までに第一弾の製品をリリースするともしている。

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リリースによるとセルシスの音声技術「FineSpeech」をベースに新しい音声合成エンジンをアニモが開発、セルシスがその技術を元にパソコン上で支援ツールを製品化する。このツールを使用することで、製作サイドではセリフやナレーションなど声の素材を必要とするアニメやゲームの部門で、スタジオや声優の手配、収録や編集などのコスト・時間を節約することができるようになる、と説明している。

エンタメベースでの音声合成システムというと、【コナミ(9766)】のEVS(Emotional Voice System)が記憶に新しい(【参考:業界初の音声合成システム『Emotional Voice System』を搭載】)。またその他にも音声合成技術では多数の会社が技術開発を進めている(WindowsXPにも標準装備されているし、例えば【ペンタックスのVoice Textなどもある】)。セルシスが発売予定としている製品では、同社がすでに発売している他のクリエイター向け支援ソフト同様に、音声合成による「声素材の作成」を企業・パーソナルレベルで出来るようにするツールとなると思われる。

アニモ社のサイトには【FineSpeechのデモ音声が掲載されている】。既存の「合成音声」と比べれば抑揚などの面でかなり努力をしているようだが、「機械風の声だな」という感は否めない。それを前提としたナレーションにならともかく、普通の環境上のセリフやナレーションに用いるのには、まだかなり違和感がある(【デモページから「ガベージニュースでは株式投資を中心にさまざまな情報をお知らせします」としゃべらせてみたWavデータ】)。上記例ならVoice Textの方が文字単位のつながりもきれいに聞こえ、自然な声に近い。

気軽に使える音声合成機能のニーズというとセルシスのリリースにある「クリエイターのコンテンツ作成時におけるセリフやナレーションの導入のハードルを低くする」という目的(例えば個人作成のフラッシュやCG映画に気軽に音声を入れる)以外に、鬼門に入った声優たちの声を用いたい場合などへの応用が考えられる。が、現状のレベルでは(Voice Textレベルのものが個人ベースで使用できるのなら話は別だが)「本物の声優などと差し替えられる領域での」流通は難しいかもしれない。

むしろ「合成音声と割り切れる」状況での使用、例えばカーナビゲーションや医療看護の場、公共機関でのガイダンスにおいて使用するという期待ができるだろう。

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