加ト吉、修正決算正式発表を6月中旬に延期・大証は監理ポストに割り当て
2007年05月31日 08:00
先に循環取引などで不正会計が発覚した【加ト吉(2873)】は5月30日、5月31日に予定していた決算短観や過去の決算修正報告を6月中旬に延期することを発表した(【発表リリース、PDF】)。また同時に監査法人による確認が行われていない業績見込みなどを発表したが、それに伴い【大阪証券取引所】では同銘柄を監理ポストへの割り当てを決定した(【発表リリース】)。
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今件は加ト吉の役員が中心となり、関連会社などを巻き込んで循環取引を行い、会社の売り上げを水増ししていた件が発覚したというもの。循環取引によって事実と異なる会計処理が行われた部分を正した訂正有価証券報告書(過去5年分)と、2007年3月期の決算発表について、監査法人が鋭意精査中であり、当初予定の5月末日には間に合わず6月中旬に延期されることになった。
今回発表されたのは監査法人のチェックが入っていない「見込み」ではあるが、それによると2007年3月期の連結純利益は当初予想の70億円の黒字から92億円の赤字に転落(差し引き162億円)。個別での損失見込みが約246億円となることが明らかになった。
なおこの「業績見込み」の発表を受けて大証では「訂正内容が重大であると判断。今後の書類の内容とその審査結果次第では上場廃止基準に該当するおそれがある」と判断し、同日付で監理ポストに割り当てることを発表した。加ト吉が大証と共に上場している【東京証券取引所】ではこの措置は採られていない。
5月30日の加ト吉の 株価動向
「業績見込み」が発表されたのは30日の午後3時だが、同社の株価はなぜか30日の午後から出来高を大きく伴って急落。市場関係者の頭に「?」マークを浮かばせる事態となっている。(業績予想修正発表は午前11時半でした)
ちなみに同社の株価は30日の終値で前日比-82円(-11.10%)の657円。「業績見込みの正式発表」や大証の監理ポスト移行措置、東証がその措置を取らなかったことなどを受け、どのような判断を市場が下すのか、気になるところではある。少なくとも6月中旬とされる、正式の訂正報告書の発表までは、色々な思惑が交差した中での取引が続けられることだろう。
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(最終更新:2013/08/20)
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