日本初の「カプセル内視鏡」を丸紅とスズケンが共同輸入、5月末から販売開始
2007年05月11日 06:30
【丸紅(8002)】と【スズケン(9987)】は4月24日、日本国内では初となる、ギブン・イメージングによる小型カプセルにビデオカメラを内蔵した内視鏡、「ギブン画像診断システム」こと「カプセル内視鏡」の厚生労働省認可がおり、5月末から全国の病院むけに販売することを発表した(【発表リリース、PDF】、【参照記事:朝日新聞】)。
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同様のカプセル内視鏡は他社からも発表されているが、これまでの胃カメラなどのようにチューブで口から挿入することによる身体への負担もほとんどなく、さらにバリウムを飲んだり麻酔をする必要もない。そして病院の特定病室内で待機する必要すらない(通常の生活を行える)という画期的な内視鏡。さらに内臓内でもこれまでの胃カメラでは撮影が難しかった小腸の撮影も容易になるという。
内視鏡カプセル本体のサイズは26ミリ×11ミリ、重さ約4ミリ。ビタミン剤程度の大きさのカプセル(PillCamSB カプセル)を飲み込むだけで検査が行える。検査時間は約8時間。蠕動(ぜんどう)運動(みみずのように収縮で動くこと)で移動しながら腸内の画像を1秒に2枚ずつ収集、カプセル内のアンテナから患者身体に装着されたセンサアレイ(受信機)にデータが送られ、センサアレイのハードディスクに記録される。カプセルは使用終了後自然に排出。センサアレイ内のデータを担当医に提出することになる。
獨協医科大学病院の寺野学長はリリースの中で「疾患の中で最も頻度の高い消化器疾患の診療は、前世紀において内視鏡を中心として偉大な進歩を遂げましたが、体内最大の臓器である小腸疾患の診療は、ほとんど進歩が見られず暗黒大陸とまで称されてきました。ようやく認可されたカプセル内視鏡の普及により、小腸疾患の診断の未来が切り開かれていくものと信じております」と期待のコメントを寄せている。
胃カメラは「巨大な異物を口の中に押し込む」という印象が強く、当方(不破)も含め苦手な人も多い。しかし今回輸入により日本国内でも普及がはじまるであろうカプセル内視鏡なら、その心配・負担もほとんど無い。すでに【飲んでパシャリ! カプセル型内視鏡をオリンパス子会社が承認申請、2008年にも販売開始か】でもお伝えしたように、日本国内でも複数の会社がカプセル型内視鏡の開発を行っている。病院側の積極姿勢さえあれば、数年のうちに「胃腸内の撮影検査? カプセル内視鏡だから心配要らないね」と患者が気軽に担当医の依頼に応じられるような時代がやってくるのかもしれない。
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