モバイル検索でも「結果は3ページまで」・しかしハードルは一層高い

2007年05月22日 19:30

モバイルイメージ【Webマーケティングガイド】が5月22日発表した自主リサーチ調査によると、ソフトバンクモバイルユーザーが検索エンジンを利用した場合、検索結果を3ページめまでしか見ないユーザーは73.5%に達することが明らかになった(【発表ページ】)。パソコン上の検索エンジンによる利用傾向と「ページ数では」ほぼ同じ数字だが、内情は多少異なるだけに、注目すべき結果といえる。

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今調査は16歳から49歳のソフトバンクモバイルユーザー300人に対して性別では男女150人ずつに割り振って行ったもの。調査対象件数が300件と少なめなことや、対象キャリアが「ヤフーへの一発移動ボタンをハード仕様として持っている」ソフトバンクモバイルのユーザーに対して行ったものであることを考慮し、他の携帯電話機種とは多少のぶれが生じる可能性を考慮する必要がある。

73.5%が「検索結果を見るページ数は3ページ以下」

今調査では「携帯電話での検索機能では着メロや着うたなど、携帯電話ならではの『探し物』を探すために使われることがもっとも多い」など、携帯電話の利用動向について気になる結果がいくつか導き出されている。その中でももっとも注目すべきなのは、「携帯電話で検索エンジンを利用した場合、何ページ目まで目を通すか」という質問。

検索エンジンによる検索結果を何ページ目「まで」見るか。
検索エンジンによる検索結果を何ページ目「まで」見るか。

図のように、「1ページ目しかみない」人は11.3%に留まっている。「1ページでは飽き足らず2ページ目まで確認する」人は32.0パーセント。「さらに3ページ目まで確認する」人は30.2%。単純に計算した場合、「検索結果は3ページ以下しか見ないユーザーは73.5%」ということになる。

検索結果の「3ページ目」が目に留まる可能性は56.7%

「3ページまでが73.5%ということだけど、その中には1ページしか見ない人もいれば2ページ目まで見る人もいる。『3ページ目まで』は30.2%に違いないのだし、単純に足して意味があるのか」という意見を持つ人もいるだろう。そこで、表現を変えてみることにしよう。

例として3ページ目に対象となる検索結果があった場合、何%の人が見るかを計算する。この場合、「3ページ目まで」以外に「4ページ目まで見る」「5ページ目まで」なども、3ページ目は見ることになる。

逆に「1ページ目まで」「2ページ目まで」の人は、その時点で対象となる検索を止めてしまい3ページ目には行かないのだから、これらの人は「3ページ目を見る人」からは除外される。つまり、100-(32.0+11.3)=56.7%の人が3ページ目を見ることになる。このような考えで計算すると、次のような結果が出る。

1ページ目を見る人……100.0%
2ページ目を見る人……88.7%
3ページ目を見る人……56.7%
4ページ目を見る人……26.5%
5ページ目を見る人……19.6%


つまり、検索エンジンを利用するソフトバンクモバイルユーザーの「過半数の目に留まるには3ページまでに検索結果として入ることが必要不可欠」ということになる。特に3ページ目から4ページ目になると、比率は約半減してしまう。

パソコンの2倍以上に激しい競争が行われている携帯電話上の検索結果

【3ページ以内を目指せ! ウェブの検索結果は3ページ以内までが7割】【日本でもっとも使われる検索サイトはヤフーで過半数の59%との調査結果】内の「検索結果は平均4ページ目まで閲覧」にあるように、パソコン上の検索エンジンにおいても、「3ページ目までに入ることで利用される可能性が飛躍的に高まる」という調査結果が出ている。

ちなみに同等の計算を上記「3ページ以内を目指せ~」の元記事データから逆算すると「2ページ目を見る人」は95.3%、「3ページ目を見る人」は71.6%、「4ページ目を見る人」は31.6%。「ページ数だけで単純比較しても」、パソコンユーザーの方が検索結果については寛容であることが分かる。

携帯電話における
検索結果順位は
パソコン以上にシビア。
1ページ目、2ページ目、
すなわち10番目以内が
絶対優勢となる。

また、ソフトバンクモバイルに限らず、「携帯電話上の検索エンジンでは検索結果が1ページにつき5件」と少ないものになっている。パソコン上の検索エンジンが1ページあたり10件が基準なのと比べて実に半分。

ページ数ではパソコンも携帯電話(今回はソフトバンクモバイルだけだが)も基本的に「3ページ以内」が目指すべき値であることに変わりはない。しかし、実情はパソコンの2倍の競争が携帯電話における検索エンジンの結果において行われていることになる。

単純計算をすると、パソコンで3ページ目にある検索結果は、同一条件において携帯電話では6ページ目に位置することになる。パソコンではそれなりに参照してもらっているのに、携帯電話ではまったく見向きもされない可能性は十分にあるわけだ(これまた単純比較だが、上記概算によればパソコンの場合は71.6%だが携帯の場合は19.6%未満となる)。

携帯電話での検索エンジンの検索結果が1ページにつき5件しかないことで、1件1件のウェイトが高まることも推定される。この件も併せて考察すると、「携帯電話において検索エンジンの検索結果の上位に位置することは、パソコンでのそれ以上に格差が生じやすい」ことが容易に推定できる。

携帯電話の機能拡充も進み、利用者数は今後も漸増することが予想される。多くのサイトが携帯電話経由でのアクセスができるようになり、あるいは対応を求められることだろう。ライバルサイト数が増えた時、検索エンジン経由での集客を求めるサイトにとって、ライバルとの「順位競争」はパソコンの時のそれ以上に過酷なものになるだろう。


(最終更新:2013/08/21)

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