【更新】江崎グリコ、スティール・パートナーズから3倍増の増配要求
2007年05月02日 08:00
【江崎グリコ(2206)】は5月1日、アメリカ系投資ファンド「スティール・パートナーズ」から、4月26日付けで2007年度の年間配当を前年期の10円から30円に引き上げるよう、株主提案権行使書を受領したと発表した([発表リリース、PDF])。江崎グリコでは2007年度も前年度同様10円を予定しており、今回の提案はその3倍にあたる。
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リリースによるとスティール・パートナーズは「別途積立金の全額を繰越利益余剰金に振り替え」た上で、「その余剰金を配当にまわし、期末配当を5円から25円にかさ上げ、同期の年間配当を30円(中間配当は5円ですでに確定)に」という提案を行った。
江崎グリコ側では今回の提案について「提案内容を慎重に検討した上で、所定の手続きを経て株主の皆様にご案内させていただく予定」としている。
スティール・パートナーズは最新の四季報データでは14.2%、その後買い増しを進め最新のデータでは14.4%の江崎グリコ株式を保有する、筆頭株主。似たように「余剰金をもっと寄越せ」という提案は、最近では【ノーリツ(5943)】に対しても行っているが、株主総会では否決されている。
今回の提案がスティールいわくの「うちのお仕事ですから」と定期ルーチンとしてのものなのか、それともプレッシャーの一環なのか、別の意図があってのものなのかは分からない。ただ、三角合併の解禁で上場企業が警戒感を強めている中での今回の提案は、企業側の過剰反応を引き起こしかねないともいえる。
「お金余ってるならもっと寄越せ」という、さらなる利益配分を求める意見が株主として正しいのか、「企業発展のため、あるいは何か起きた時のためにまとまった資金は確保しておく必要がある」という企業側の論理が正しいのか、株主総会で論議されることだろう。
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