上海で株取引の副収入がある人は38%
2007年05月16日 06:30
[楽天(4755)]は5月15日、【日本総合研究所】と共同で、上海で働く中国人を対象に「上海で働く人たちの収入・消費に対する考え方調査」を行った調査結果を発表した。それによると38%もの人が株取引で副収入を得ていることが明らかになった(『発表リリース』)。
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これは4月6日から12日までの間、上海で働く男女に対する調査の結果から、300人の有効データを元に集計したもの。それによると、現在の収入に不満を持っている人は63%に及び、「それではどうやって収入を増やして不満を解消するのか」については、「転職」と答えた人がもっとも多く34%を占めた。次いで「不動産や株式への投資」と答えた人は28%に達しており、「今の会社でさらに給料がもらえるようにがんばる」人は15%に過ぎなかった。また、「会社勤めを続けながら事業を起こす」「会社勤めを続けながら他の会社に勤めたりアルバイトをする」があわせて18%に及ぶなど、かなりアグレッシブな意見も多数に及んでいる。
では「現在副収入を得ているか」という問いには70%が「はい」と答えており、具体的にどのようなスタイルで副収入を得ているかについては(複数回答)38%もの人が「株取引による収入」と回答している。
副収入の手法
さらに「株・不動産取引」に限定して、所得水準別にみると、概して高所得者ほど株や不動産取引で副収入を得ていることが分かる。
所得水準別「株・不動産取引による副収入獲得者割合」
「お金は寂しがり屋だからたくさんあるところに寄りそうの」という言葉にもあるように、お金が多い人ほどさらに儲かる株や不動産などの投資に走るのか、それとも余剰資金を投資にまわそうという考えかたなのかは不明だが、土地価格や株価が上昇している中国市場を見る限りでは、「持っている人が累乗的に資産をさらに増やしていく」という図式は明確であり、経済格差がますます広がっていくのではないかと思われる。
一方消費行動では「健康に関する」費用を増やしたいと考える人がもっとも多く76%を占めた。ついで「旅行」「資格取得などの自己投資」「住宅」などが続いている。中国(上海)でも日本同様に、健康ブームが浸透しているものと思われる。
中国市場の過熱ぶりは最近頻繁に報じられているし、春先には上海での株価急落をきっかけに世界の株式市場が連鎖反応的に値を落とし「上海暴落」とまで呼ばれるようになった。少なくとも今回のデータをみる限りでは、中国(上海)での株式や不動産などへの投資熱は醒めるところを知らず、まだしばらくは続きそうであるし、世界がそれに振り回される機会もこれから何度と無く起きそうな雰囲気だ。
(最終更新:2013/09/02)
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