ロイター、トムソンによる2兆円での買収に正式合意
2007年05月16日 06:30
先にゴールデンウィーク前後にお伝えしている、カナダの【トムソン(Thomson)】がイギリスの【ロイター(Reuters)】へ買収協議を行っていた件で両社は5月15日、この買収提案を受け入れると正式に発表した(【発表リリース】)。買収額は約87億ポンド(約2兆700億円)。
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買収内容は先にお伝えした【トムソン、ロイター買収について具体的方向へ・買収額は2兆1000億円、グループ会社「トムソン・ロイター」設立】にある通りで、新会社「トムソン・ロイター(Thomson-Reuters)」が設立されるが、金融情報部門はブランド力を維持するため、「ロイター」名が踏襲される。両社の各共通部門を統合して機能を強化しつつ、不足している部分を補うことになる。
今件については黄金株(1株で重要案件を拒否できる投票権がある)を持つ「ロイター・ファウンダーズ・シェア・カンパニー」こと「ロイター発起人会社」も経営統合を支持すると発表しており、ロイターとトムソンによる経営統合は大株主の反対を受ける可能性をクリアし、推し進められる。あとはアメリカ・ヨーロッパにおける当局の、独占禁止法上の解釈問題をクリアする必要がある。
また、新会社「トムソン・ロイター」の最高経営責任者(CEO)には現在ロイターのCEOであるトム・グローサーCEO(Tom Glocer)氏が就任する。ロイターのサイトではロイター通信社内で記者が新会社のCEOに就任予定の、現ロイターのCEOであるトム・グローサー氏に独占(笑)インタビューする動画も公開されている(【該当ページ】)。
ゴールデンウィーク中に世界中を驚かせた3件の巨大メディア買収騒動のうち、少なくともロイターとトムソンについては成功裏に終わりそうだ。残り二つは両方ともうまくいかないとの話が続報として伝えられている。しかしまだ事態は進展中であり、今後あっと驚かせるような進展(展開)が見られるかもしれない。
ロイターとトムソンの合併の進捗と共に、他の二つの案件も気になるところだ。
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