はしか感染数1週間で68人と過去最高、全国へ拡散・まもなくピークか
2007年05月29日 19:40
[NIKKEI NeT]が速報の形で伝えたところによると、【国立感染症研究所】が全国450か所の医療機関を対象に調査している、15歳以上のはしか感染者数は第20週・5月14日~20日の一週間で68人を記録した。これは(計測方法の変更で単純比較はできないものの)前週を15人上回り、過去最高を記録した。
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国立感染所研究所の関連サイトにはまだ最新データはアップデートされていないが、元記事によると、東京都の21人を皮切りに関東地域での感染者が目立つが、北海道や宮城県などそれ以外の地域でも感染者が見受けられ、全国に拡大しつつあるという。また年齢層別では20代以上が半分以上を占めている。
一方、国立感染症研究所が運営している、医療機関からのはしか患者の診断報告を共有するデータベース「はしか発生データベース(http://measles.jp/)」によると、同時期(5月14日から20日)の間には全国で116人のはしか患者が診断を受けたと報告されている。
5月14日から5月20日の全国はしか患者数(はしか発生データベースより)。関東地域で多発しているが、京阪神地方にも数が急増しているのが分かる。
一方、直近で大流行した2001年当時の発生率のデータを比較し検証した限りでは、19週~21週が流行のピークで、以降はゆるやかなカーブを描きながら患者数が漸減していることが分かる。このことからよほど特殊な要素がない限り、今年も今月末から来月頭で流行のピークを迎え、以後は流行も収まっていくものと思われる。
1997年から今年まで、毎年の週別はしか発生数の変遷。20週前後にピークを迎えているのが分かる。
大学や高校の休校も相次いでいるが、その一方で【早稲田大学が本日29日発表した一部休講解除措置】などのように、事態の沈静化と共に通常の状態に復帰しつつあるところも見えてきている。(ワクチンではなく)検査薬の絶対量が不足し、増産体制・輸入体制が緊急に採られているという報道もあるが、見えないはしかウイルスにおびえる日々もまもなく(少なくとも今年は)終焉を迎えることになりそうだ。
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(最終更新:2013/08/21)
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