「POP*POP」で紹介されていたのがこの、Twitterを活用したマーケティングツール【Twitterment】。アメリカ・ボルチモア大学が作ったというが、どうりでドメインが「.edu」のはずだ(.eduは教育機関のみ)。

このツールはTwitterで語られた世界中の「ひとり言」を分析し、世界における指定キーワードの傾向を探り、マーケティングとして活用できるというもの。一言で表現すれば「Twitterのデータを用いた検索分析サイト」。

「Twitterment」の機能は大きく二つ。まずつ一つが「Search」で、入力したキーワードの露出度を知ることが出来る。単なる「ひとり言」の羅列だけではなく、時間帯、曜日別、地域別、さらにはタグクラウド(入力したキーワードと関連する言葉を検索数の多さに比例する大きさで表示するもの)が表示される。言葉の言い回しの微妙な違いや地域別の詳細リサーチは不可能だが、世界的な動向を知ることは可能だ。

「任天堂」……では検索できないので「nintendo」で入力してみる。昼時と夕食時に語られることが多く、曜日別では「土日に遊べるぞ!」という意気込みからか金曜に出現頻度が高いようだ。また、関連キーワードはずば抜けてWiiが多く、DSが続いているというのも分かる。残念ながら記事執筆時にはマップ機能は一時的にダウンしていた。

もう一つは「Compare」。言葉どおり二つのキーワードを入力し、その比較を「Search」同様に行うことができる。ライバル商品や会社、似たようなサービスを比較するのに最適。

任天堂(赤)とソニー(sony)(青)を比較してみる。ソニーの場合、ゲーム機だけでなく電気機器全体としてのブランド力が影響しているからか、時間別の傾向がつかめない。また、曜日別では平日の方が語られる頻度が高いのが分かる。

「Wii」(赤)と「PS」(青)を比較してみた。PSはWiiの半分程度だが、土曜日にはほぼ同程度にまで盛り返しているようだ。

「POP*POP」では「Twitterはある意味、人の行動、思考を表していると言えます。うまく使えば下手なマーケティングリサーチよりも使えるのではないでしょうか」と指摘していた。ひとり言、何気ないぼそっとした言葉は、下手に飾った言葉よりも人の心境を的確に表現していることが多い。「格好付ける」というフィルタがないだけに、ダイレクトな意見が語られているといえる。それだけに、リサーチ対象としては非常に有効だといえよう。

特定商品に対するリサーチはもちろんだが、例えば社名やブランド名を入力し、評判や消費者動向、株価に与える影響を推測したり、説明の裏づけに用いることもできるだろう。

特に今回写真でサンプルとして用いたような、類似商品の比較対照には大いに役立つに違いない。

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(最終更新:2013/08/21)