Wiiの面白さにお年寄りも夢中・ゲームに興じるシニア層たち

2007年04月01日 11:00

ゲームイメージ【NewYorkTimes】が3月30日に、「Video Games Conquer Retirees(退職者たちに大人気のビデオゲームたち)」というタイトルの記事を掲載した。アメリカでは定年退職したお年寄りの間に、ゲームに対するニーズが急速に高まりつつあるのだという。特にWiiの発売以降、シニア層の間でゲームに注目が集まっているという話が海外から入っていたが、今回はパソコンゲームもあわせて大人気と報じられているあたり、少々興味をそそられる内容ではある(【参照:メディア・パブ】)。

スポンサードリンク

子どもだろうと大人だろうとお年寄りだろうと、ゲーム好きならいくらでもゲームをして良い。しかもシニア層ならそれなりの資金力を持っているから「大人買い」もできるし、サラリーマンなどと比べれば時間に余裕がある。「第二の人生」をゲームと共に、というのも悪くない。

さらにゲームをプレイし熱中することで、さまざまな身体の部位を積極的に使うことから、老化予防にも役立つ(【東大チームが「頭を使うと脳細胞が死ににくくなる」仕組みを解明】参照)。そしてゲームを通じて他のお年寄りとの交流も図れるし、孫と間に共通の話題を持つこともできる。ゲーム脳? そんな論説に科学的根拠などない。

元記事ではDELL製のコンピューターに映し出されたパズルゲームに夢中になる老婆がマウスを握り締めているようすや、Wiiのコントローラーを使ってボーリングゲームに興じる男性のようすが写真で公開されている。ほほえましくもあり、頼もしくもある。

同記事には興味深い裏づけ的データもいくつか掲載されている。ここでは二つほどピックアップしてみよう。

2000年の創設以来2億回ほどゲームがダウンロードされているという老舗の、オンライン上で気軽に遊べるゲームサイト(日本ではカジュアルゲームと称されるのか)【Pogo.com】がある。ここで昨年ユーザーアンケートを採ったところ、プレイヤーの71%は40歳以上、47%は50歳以上という調査結果が出た。また、プレイヤーの76%は女性だった。
(PopCap Games in Seattle, the maker of the diversions so popular at St. Mary, says its games have been downloaded more than 200 million times since the company was founded in 2000. A spokesman said that the company was stunned by results of a customer survey last year: 71 percent of its players were older than 40, 47 percent were older than 50, and 76 percent of PopCap players were women.)


中高年齢層が想像以上にゲームを楽しんでいるというデータが出ている。

また、ゲームパブリッシャーとして日本でも名を知られているエレクトロニック・アーツ社のコメントも寄せられている。

エレクトロニック・アーツ社によると、自社サイトの訪問者で50歳以上の人は2月では28%だったが、彼らはサイトの訪問時間の40%以上を占めている。また、女性は男性より35%ほど在中時間が長い。
(According to Electronic Arts, the game publisher that runs the site, people 50 and older were 28 percent of the visitors in February but accounted for more than 40 percent of total time spent on the site. On average women spent 35 percent longer on the site each day than men.)


ここでも「シニア層が多く来訪している」「しかも熱中度が高い」「さらに女性の方がより夢中になっている」ことがうかがえる。

この2点だけで「シニア層にもゲームの輪が広まりつつある」と断言することはできないが、少なくとも年齢人口比率の変化やメディアの普及、初期ゲーム世代の高年齢層化など他の要素も合わせて考えると、シニアの間にもゲームは少しずつ、そして確実に浸透していることは間違いないだろう。

「多くの人に門戸を開く」のコンセプトが前面に押し出された[任天堂(7974)]の家庭用ゲーム機、Wii。もしこのような状況を想定してのコンセプト作りであったとしたのなら、大正解、というところだろう。あるいはWiiこそが、この状況を後押ししたのだろうか。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ