アマゾンでの書籍探しがもっと有意義になるサービス「コミックダッシュ!」と「いもづる式」
2007年04月29日 12:00
【アマゾンも多数店舗展開モールに・アマゾンジャパンがテナントサービス「マーチャント@amazon.co.jp」スタート】でも報じたように、厳選したテナントの展開も始まり、ますます「なんでもネットショップ」的な様相をしつつあるアマゾンジャパンだが、元々は書籍中心のネットショップ。そのアマゾンジャパンを自分の書庫のように縦横無尽に使えるツールが相次いで公開されたので、今回は2つまとめて紹介することにしよう。
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集めているコミックの新刊がチェックできる「コミックダッシュ!」
主に【Garbagegamews.com】で活用させてもらっている、【あまとも】などを提供している【CK Works】の、最新ASPサービス。それがこの【コミックダッシュ!】アマゾンのデータレベルで自分の所有コミック管理を行い、シリーズの買い逃しを防止しようというものだ。
コミックを定期的に購入している人の大部分は、そのシリーズの「新刊が出たら買う」という購入パターンを採っている。しかし連載されている月刊・週刊誌までも細かくチェックしている人ならともかく、単行本オンリーの人には「いつ新刊が出るのか」という情報を得ることは難しい。とはいえ、やはりコミックの新刊はすぐにでも手に入れたい。
そこで「コミックダッシュ!」では登録した「所有コミック」を元に、そのシリーズの新刊についてピックアップし、新刊発売日カレンダーを生成してくれる。いわば書店の壁に貼られている「今月・来月の新刊一覧」の、自分の趣味趣向や収集中コミックに合わせてカスタマイズされた、「自分だけの新刊カレンダー」が提供されるわけだ。
「コミックダッシュ!」のトップページ。登録するとシリーズコミック単位での掲示板で語り合うこともできる。テーマがはじめから限定されているので、論議も活発。コミックというテーマに的をしぼり、このようなSNSライクなサービスを提供する発想は非常に素晴らしいといえよう。
また「コミックダッシュ!」で自分の好みなコミックを登録しておけば、同じコミックを持っている人を知ることができる。シリーズごとの掲示板も用意してあり、SNS的な楽しみ方もできる。同一シリーズに限定した掲示板だから、話も盛り上がるというもの。
現在同サービスはβ運用中であり、細々とした修正や機能追加が行われている。先日、自分の購入登録コミックこと「本棚」をブログパーツとして提供できる機能が追加されたばかり。ソーシャルブックマークならぬソーシャルブックシェル(本棚)的な可能性を秘めている「コミックダッシュ!」、今後の機能拡充にも期待したい。
関連する書籍を一網打尽「いもづる式」
続いてこちらは以前【調査レポートを検索するサイト「ResearchSearch」】で紹介した【ResearchSearch】を開発した【ゴエンコム】提供の新しいサイトサービス、【いもづる式】。
「いもづる式」アマゾンジャパンの書籍に限定し、「似たような、関連性のある」書籍を多角的に眺められるようにした検索サービス。本家のアマゾンジャパンで検索やトップページにアクセスすると、「この商品を買った人はこんな商品も」「似たようなジャンルの商品」などと、関連性のある商品を提示して近い趣味趣向に該当する商品を見せ、利用者の購入意欲をくすぐる場合がよくある。この「いもづる式」はそれをさらに推し進めて、有効活用しようというもの。まさに「いもづる」式に商品が表示されるという按配(あんばい)だ。
「涼宮ハルヒの憂鬱」の小説版第一巻から「いもづる式」検索。ユーザーコメントがポイントと共に表示されるので分かりやすい。今具体例では文中イラストつながりで「灼眼のシャナ」がリストアップされているのが興味深い。
具体的には対象となる書籍を普通の検索と同じように探して表示。その後「いもづる式検索」のボタンを押し、その書籍に関連する本を「いもづる式」に表示していく。
元々アマゾンでの「関連性商品」のデータは、過去のぼう大な顧客購入データから蓄積されたもので、不特定多数の傾向として信ぴょう性が高い。そして商品が発売されてから時間が経てば経つほど多くのデータが蓄積され、信頼性が高まる傾向にある。
例えば上記写真の例なら、『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの小説第一巻を買った人の多くが、「つどうメイク・マイ・デイ」や「灼眼のシャナ」を購入していることが分かる。もし自分自身の趣味趣向で『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズを買った経歴があるのなら、次に何を読もうか考えた際に「つどうメイク・マイ・デイ」や「灼眼のシャナ」を選べば、自分の趣味に合わず俗にいう「はずれ」を引いてしまう可能性は低くなるわけだ。いわばネット上の「コンシェルジェ」的な役割を果たすのが、この「いもづる式」サービスといえよう。
現在このサービスは書籍に限定されている。ただ、この「趣味趣向に合った類似商品を提示する」という仕組みは、書籍はもちろんだがDVDなどの映像ソフト、ゲームソフトなど、エンターテインメント分野全般に有益だと思われる。
当方(不破)も時々、「どんなゲームが今面白い?」と聞かれることがあるのだが、その場合にはまず逆に「これまでどんなゲームで遊んで面白いと思った?」と聞き返すことにしている。ゲームの評価は絶対的な部分もあるが、むしろ一人一人の感性に寄るところが大きいからだ。その感性に響く商品が分かれば、類似要素を持つものを選ぶことで、「当たり」を選びやすくなる。
そのような「一歩踏み出した購入意欲を持つ人の疑問」に答えてくれるのが、「いもづる式」といえよう。今後の展開に「強く」期待したい(笑)。
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