「任天堂はまだ買い」「ゲーム業界は瞬発力から持続力へ」野村アナリスト談
2007年04月26日 08:00
【ブルームバーグ】によると同社のテレビインタビューにおいて野村証券金融経済研究所の桜井雄太アナリストは4月24日、[任天堂(7974)]の投資判断を「買い」継続とし、その理由について「生産能力引き上げ」「アジアでの展開」「Wiiの改訂版の存在」の3点を挙げた。またゲーム業界の構造について「瞬発力から持続力へ傾向が変動しつつある」とコメントしている。
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●「任天堂の投資判断はまだ買い」
株価が高止まりしているようにも見える任天堂について同アナリストは「まだ買い」と判断。その理由について、「ハードの生産能力が向上し、ソフトのラインアップの充実でさらなるセールスが期待でき(売上高などの上昇も推定できる)」「アジア地域での展開が加速することが予想される」とすると共に、【任天堂(7974)、WiiのDVD再生機能付モデルを来年後半に発売すると正式発表】でも報じたWiiのDVDプレイヤー機能付き版の登場がさらに後押しするだろうとしている。
●DSが引っ張る形でゲーム業界は瞬発力から持続力へ
また、同アナリストはニンテンドーDSがコアなゲームファンだけでなく幅広いユーザーに浸透した結果、季節による変動性も小さくなり、長期間売れ続けるというプラス面の効果が出ていると評価。さらに顧客層の広がりはゲームの販売に際し、「教育系やツール系などのエンタメ関係のソフトも多く発売され」「より長い時間軸での持久戦ができるようになった」と分析。そしてゲーム業界以外との共同セールスや売り場の多様化も、これらを後押しすると推測している。
要は「DSが濃いゲームファンだけでなく世間一般の人にも広まったおかげで、これまで『短期決戦』『発売から数週間の売り上げがすべて』というスタイルをとっていたゲームソフトの売り上げも、(内容次第で)ロングセラーを望める市場が構築され、期待できるようになった」ということになる。
コアなファンは熱しやすく醒め易い。また、購入意欲がおう盛なので発売直後に手にするが、それでオシマイ。それとは逆に「ライトユーザー」(ごく普通の人たち)は発売後半年、一年、それ以上たったタイトルでも、こだわりなど見せずに面白ければ手に取り、そして購入する。その意味での「瞬発力から持続力へ」という表現なのだろう。
元記事ではDSについてのみの言及だったが、購入層を見てみる限りでは、Wiiも同様の傾向に一役買っているものと思われる。「瞬発力から持続力へ」の状況を作り出した任天堂が、どれだけこの状況を活かせるかで、同アナリストの投資判断が正しかったのかどうかが証明されることになるだろう。
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