【更新】「加ト吉の循環取引は計数百億」調査委員会が報告書・日経や読売報じる
2007年04月23日 06:30
【加ト吉(2873)、循環取引の責任を取り社長が辞任へ。公認にJT出身の金森副社長・各報道報じる】にもあるように、【加ト吉(2873)】が循環取引に関する調査を依頼した外部委員会の調査結果が一部マスコミにリークされる形で報じられているが、[日経新聞]や[読売新聞]などは今朝までに、加ト吉での循環取引が過去6年間で総額数百億円に登ると認定していたことを明らかにした。
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循環取引の疑いについて調査を行っていたのは、加ト吉が設置した弁護士や公認会計士らによる外部調査委員会。この委員会が2001年から2006年までの6年間について調べたところ、総額で数百億円にのぼる循環取引を認定した。同委員会ではこの取引について「不適切な取引」と指摘し、加ト吉に提出したとのこと。
この循環取引を認定したのは加ト吉本体以外に「加ト吉との連結子会社」の加ト吉水産、取引先だった香川県の貿易会社、兵庫・岡山県の食品販売会社2社、大阪市の中堅商社など。循環取引の内容も「冷凍クリや健康食品が伝票上で売り買いされ、実際には倉庫に保管されたまま名義変更だけが繰り返されていた」など、以前に報じられた内容がほぼそのまま踏襲されている。
この循環取引について調査委員会では「実態のない取引なのに伝票上で数百億円の取引を行い、連結決算で売上高として計上。有価証券報告書に記載していた」と認定している。これが事実なら、有価証券報告書への虚偽記載を禁じている証券取引法に抵触しているのは間違いなく、その額も加ト吉が先日「特別損失」として認めた75億円どころではないことになる。また、2006年3月期の同社売上高は3398億5000万円、経常利益は145億9700万円、純利益は65億9800万円であり、それと比して「6年間で数百億円の架空売り上げ」がどれだけ大きいのかは誰の目にも明らかといえる。
元記事によれば加ト吉側では今回の報告書の内容を受けて今週中にも東京証券取引所にその事実を報告し、調査結果を公表するとある。創業者の加藤義和社長が会長職ともあわせて辞任し、後任に【日本たばこ産業(2914)】出身の金森哲治副社長を昇格させる人事を固めたと報じられたのも、追及される前に自ら責任をとるために、と思われる。
今件は土日に相次いで報じられたが、加ト吉側では一切のコメントを発していない。単に土日にリリースを出すだけの体制が整っていないのか、それとも沈黙イコール肯定と見なされても仕方が無いと判断しているのかは不明。遅くとも今日月曜中には何らかの形で発表が行われることだろう。
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(最終更新:2013/08/21)
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