「テレビっ子」から「インタネっ子」「ブログっ子」へ・ブログ読者はテレビをほとんど見ない傾向
2007年04月17日 08:00
ブログネットワーク企業の【アジャイルメディアネットワーク】は4月16日、ブログ読者のメディア利用動向に関する調査結果を発表し、その中で、ブログを定期的に読んでいるインターネット利用者(俗に言う「ブログ読者」)は、一般的なインターネット利用者と比べると「ネットの利用時間が長く」「テレビなどの既存メディアの利用時間が短い」ことを明らかにした。ブログの保有率やSNSの利用率も高く、情報発信をはじめとした相互情報交換にも積極的な姿勢を見せていることも傾向の一つとしてうかがえる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は3月15日から31日までの間にインターネット上で行ったもので、有効回答数は884件。男女比は男性86:女性14。年齢構成比は30代前半が23.8%と最も多く、20代後半、30代後半が続く。20代と30代で76.1%を占める。ブログサイト上に掲載したことや回答数自身が多くないことを考慮した上で、集計結果を吟味する必要がある。
●ブログ・SNS利用率は約7割
ブログ読者の
定期購読ブログ数
回答者の68%がブログを保有する一方、74%が6個以上のブログを読んでおり、中には100個以上のブログを定期的に読むというつわものも8%いた。
一方でSNS(ソーシャルネットワーキングシステム)を利用している人は全体の71%。そのSNSでの「友達登録数」は平均で34.6人。SNSの利用者は積極的にコミュニケーションに勤しんでいることがうかがえる。
●ブログ読者はネット時間が長く、テレビ視聴時間が短い
「ブログ読者」はテレビをはじめとした既存のマスメディアの利用時間が短く、逆にインターネットの利用時間がきわめて長い。
総計としての一日あたりの媒体別利用時間
「ブログ読者」のインターネットやテレビ利用時間
「ブログ読者」はインターネットを一日3時間利用する割合が6割を超えている。5時間以上というヘビーネット利用者の点でも、「インターネット白書2006」における調査結果「1日に5時間以上インターネットを利用する人は16.6%」と比較して2倍以上の37.2%という回答が出ている。
さらにテレビの視聴率が極めて低い(「ほとんど利用しない」が21.2%など)だけでなく、雑誌や新聞、ラジオなど既存メディアへの関心・注力時間も少ないことが判明している。
●ブログ読者は既存メディアの代替としてブログを位置づけている?
今回の調査があくまでも「ブログ上のアンケート」によるものであり、インターネットを利用した人からのみのデータであることや、集計数が少ないことを差し引いて考慮しても、「ブログに傾注する割合が高いほどテレビや雑誌など既存メディアへ割かれる時間と注意は少なくなる」傾向が容易に推定できる。
これは元々一日は24時間しかなく、本を読んだりテレビを見たりブログ・ネットを閲覧する「情報収集、娯楽」の時間はさらに限られていることに加え、これまでのメディアで得られた情報、知りたい情報がほぼブログをはじめとするネット上でカバーできることによるものだろう。
もちろんテレビや雑誌、新聞にはそれぞれのメディアなりの長所や、それらだけにしか出来ない特質もある。しかしブログやサイトがカバーする領域の拡大だけでなく、動画配信をはじめとする各種技術の進歩とブロードバンド環境の普及により、両者間の差異は少なくなりつつある。ならば速報性に優れ、多種多様な情報が入手でき、コメントなどで情報発信・双方向性に優れるブログやサイトに時間をかけたくなるのはごく当たり前の流れといえる。
今後この流れは加速していくことは間違いない。既存メディアは読者のハートをつかみ続け、かつさらに利用者を増やすために、自分たちのメリットをより一層強化するだけでなく新しいメディアであるブログやサイトとの効果的な連携を模索する必要が出てくるだろう。それは広告費の件ともあわせ、最重要課題となるに違いない。
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