塗る抗がん剤、富士フイルムが開発に着手
2007年04月14日 11:00
【富士フイルム(4901)】は4月12日、写真フィルムなどの開発技術を用いたバイオテクノロジーを活用し、頭頚部がん向けの効き目の長い抗がん剤である「塗る抗がん剤」の開発に着手したと発表した(【発表リリース】)。アメリカのバイオベンチャー企業【Cangen Biotechnologies】との共同開発になる。今回の開発が成就し商品化されれば、富士フィルムの医薬品第一号となる予定。
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リリースによるとこの「塗る抗がん剤」には従来の牛によるゼラチンではなく、人のゼラチン遺伝子を酵母に埋め込んで培養し作られたゼラチン「ヒトリコンビナントゼラチン」が用いられる。このゼラチンは動物由来特有の感染症の心配がなく安全性が高く、人に対する抗原性が少ないため、アナフィラキシーショック(抵抗力の付いた異物への激しい反応)がおきる可能性も軽減できるという。また、患部に長時間に渡って効果を継続させる効用も期待できる。
このゼラチンを用いた方式は今後抗がん剤だけでなく、鎮痛剤やホルモン剤など、他の皮ふを経由して浸透させていくタイプの薬への展開も想定しているとのこと。
ビジュアルがリリースには掲載されていないので具体的な形状が想像できないが、あえてムリに想像すると、練り物状の風邪・ぜんそく薬のようなものだろうか。まったく関係のないものと思われるフィルム技術が医薬品の分野で使われるようになるのは摩訶不思議な感もあるが、患者にとって一筋の光明となることに期待したいのには違いない。
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