戦後昭和史を動画ニュースで追体験! 昭和を語る映像ニュース「朝日ニュース」を無料で見られるブログ公開中
2007年04月12日 12:30
【日本映画新社】では4月2日から、昭和30年代のニュース映像を無料で視聴できるブログ【朝日ニュース昭和映像ブログ】を展開している。戦後の日本昭和史の状況をさまざまな観点から動画で確認できる、非常に貴重な映像が多数納められており、学術的にも興味深い内容となっている。
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収録されている「朝日ニュース」とは、1952年に第一号を送り出し、以降週刊(一部隔週刊)で1976年まで朝日新聞社と提携して制作したもの。今回は利用権をNHKに売却した1952年から1954年より後の、1955年(昭和30年)から1964年(昭和39年)までの収録を進めている。
【告知ブログの紹介ページ】によれば、この収録時期は「終戦から立ち上がった日本が、やっと元気になってきた時代。物はなくても、心が豊かだった時代。その世代を過ごした方々にとっては、なんともノスタルジックな時代」。テレビはまだ一般家庭には普及しておらず、一部地域では街頭テレビ(街中に皆が見られるテレビを置いて点けっぱなしにしておくというもの)も設置されたが、全国区というレベルではなかった。
多くの人にとっては映画館に映し出される映画本編の前のニュース映画でしか、ニュース映像を見ることができなかった時代。その時代に放送された多くのニュース映画がFlashムービーで公開されている。
公開形式は一つのニュース映画につき1記事というスタイルでブログに投稿が行われ、それぞれ映画の内容や作品ナンバー、公開年月日、そして動画そのものが掲載されている。投稿数は現在確認できる限りでは200点(事務的、解説記事含む)。問いあわせたところ、3月には3月分の、4月には4月分の動画を逐次データ化して掲載するので、これからますます掲載量は増えていくとのことである(概算すると200×12で2400本ほどだろうか)。
ブログ全体図。このように1ニュース映像につき、1本の記事というスタイルで掲載されている。
試しに当時の最新鋭戦闘機F104Jの一号機が導入されたというニュースを見てみることにする。あの独特のゆったりとした説明と共に動画が流れていく。当時のスローライフを体験しているかのようである。
日本の戦後宇宙開発史の中では歴史的瞬間ともいえる、東大・糸川教授らによるペンシルロケット発射実験の様子も。
いくつか見てみた限りでは説明ページにあるように、きわめて資料性の高い映像が山盛り用意されている。これだけでご飯三杯は食べられそうな感じ。ただ、検索機能が単なるキーワード検索のみなので、例えばニュースのジャンル別の区分けもあるともっと使いやすくなるのに、というぜいたくな悩みも頭に浮かんでしまう。
とはいえ、これだけの映像を閲覧できるだけでなく引用も許可されるだけでも、非常にありがたいことに違いない。多くのサイト運営者やブロガー、歴史に興味のある人に愛されるブログとなることだろう。
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(最終更新:2013/08/21)
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