NECが「熱が冷めやすい」プラスチックを開発・2008年度量産開始を目指す
2007年04月10日 08:00
【NEC(6701)】は4月9日、とうもろこしなどの植物から得た樹脂を使った、放熱効率のよいプラスチックス「高熱伝導性バイオプラスチック」を開発したと発表した(【発表リリース】)。
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このプラスチックはとうもろこしなどを減量としたポリ乳酸樹脂に特定の炭素繊維、さらに独自開発の結合剤を混ぜることで、「炭素繊維を10%混ぜるとステンレス程度」「炭素繊維を30%混ぜるとステンレスの2倍」の熱拡散性(熱を伝える性質)を持つ。
この「高熱伝導性バイオプラスチック」を用いることで、例えば携帯電話やノートパソコンなどの小型の電子機器で効率的に熱を逃がすことができ、放熱対策に頭を痛めることもなくなるという。
これまでこれらの機器で使われて素材としては、熱伝導性に優れた金属や従来型のバイオプラスチックがあるが、前者は「熱を発する部分周辺が熱くなり過ぎるため利用者が使いにくい」、後者は「熱が逃げにくいしプラスチックそのものの性能も低い」という弱点があった。
今回開発に成功した「高熱伝導性バイオプラスチック」ならば、利用した製品の一部が過熱することなく、全般的に放熱することができる。さらに原材料もとうもろこしなので環境に優しい。重量も金属より軽く、まさに携帯電話などの小型電子機器にうってつけの素材といえよう。
食糧としてはもちろんペットの飼料以外に、最近ではバイオエタノールの原材料としても注目を集めつつあるとうもろこし。今後この「高熱伝導性バイオプラスチック」が広範囲に採用されれば、プラスチックの材料としても注意をそそがれることだろう。まさに「またとうもろこしか、人気者だな」ということになるのだろう。うらやましい限りではある。
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