総務省も「喝っ!」 不誠実な番組問題でTBSが総務省から厳重注意処分
2007年04月28日 11:00
【総務省】は4月27日【TBS(9401)】に対し、かねてから報道されていた3番組について「過剰な演出」「不適切な編集や事実に基づかない表現」などがあるとして、放送法に抵触するとし、厳重注意をしたことを発表した(【発表リリース】)。
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発表によれば、問題とされたのは次の3番組とその内容。
・「人間! これでいいのだ」……科学的論拠が十分でないにも関わらず断定的に表現したことは過剰な演出と認定(2007年2月3日)
・「サンデージャポン」……不適切な編集や事実に基づかない表現があったと認定(2007年2月11日)
・「みのもんたの朝ズバッ!」……事実に基づかない報道が行われたと認定(2007年1月22日)
以上3点をあげ、「言論報道機関である放送事業者に対する国民の信頼を著しく損なったこと」として厳重注意を行うと共に、再発防止に向けた取り組みについて強く要請をした(同日テレビ東京に対しても口頭注意が行われている)。
特に三番目の「朝ズバッ!」については、【不二家(2211)】に対するチョコレート工場に関する報道を国側が「事実に基づかない」と認定したことになり、不二家側にとっては大きなサポートになることだろう。
不二家の件とは具体的には、上記該当番組内で「不二家は賞味期限切れのチョコレートに牛乳を混ぜて再利用している」とかつての従業員の話を交えながら図解で詳しく説明し、司会のみのもんた氏をして「廃業すべし」と言わしめた話。「事実無根」「ねつ造」と反論した不二家は法的措置も辞さないとしていた。
「詫びは入れた」
「チョコレートの再利用は
信用性が高い」
「従業員の発言も
うそじゃない」
不二家の動きに対し4月18日の放送で(一部について)謝罪するような内容の放送が行われ、不二家ではこれを受け入れる方向で話がまとまりつつあった。しかし4月25日の定例記者会見の中でTBSの井上弘社長は「朝ズバッ!」に対し「詫びは入れた。しかしチョコレートの再利用部分は信用性が高いと考えている」「証言者に弁護士が面談しており、発言にぶれが無いなど信用性が高い」とし、「ねつ造じゃありません」的な発言を行い、さらに今件で他局が放送局としてのTBSを非難したことに対しては「TBSをバッシング風に取り上げるのはおかしいのではないか」とまで言ってのけた。「まさにのりのりである」ではなくて「まさに開き直りである」という感じだ。
この発言に対し不二家側も態度を硬化。井上社長あてに発言の訂正及び同様の発言をひかえるよう抗議文書を送付したという。
さらに今回、放送免許を直接統括する総務省から、その放送法に鑑みて「抵触している」という認定を受け、厳重注意処分が行われた。口頭注意よりも厳しい、文書による厳重注意であり、テレビ東京の「口頭処分」が同日に行われたこともあわせて考えれば、「もう一度やったらその上の処分(放送法第52条23項から24項による「放送事業者への免許取り消しや3か月以内の期間を設けた停止」)もありえるぞ」というニュアンスを多分に含んでいると推定するのが当然といえる。
【TBS「みのもんたの朝ズバッ!」で不二家報道にねつ造問題発覚、TBSは事実を認めるも「ねつ造などはない」】でも伝えているように、TBSはここ数年の間に公共放送機関ともいえる放送局としてはありえないような姿勢の番組放送を多数報じており、そのたびに「その時点では頭を下げるが三歩歩いたら舌を出してすべて忘れる」的な行為を繰り返している。東京都の石原都知事からは「もう一度やったら免許はく奪」と言われても懲りる様子はない。
そのようすはまるで、「見つかってもしかられるだけで実際に罰を受けるわけじゃないから、もう少しやっちゃおうか」という考えでいたずらを繰り返している悪ガキのようですらある。今回、総務省からのキツイ一言で、態度を改めるのか、また「いたずら」を繰り返すのか。つまりはTBSが襟を正し自らを変えることができるのかが問われている。それが出来なければ、今度は「お小言」だけではなく「お小遣いナシ」「お尻ペンペン」「廊下に立ってなさい」という、さらにキツイペナルティを受けることだろう。
これを世間では「自業自得」と呼んでいる。よもやTBSがこの言葉を知らないはずはあるまい。
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(最終更新:2013/08/21)
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