【更新】加ト吉の循環取引に岡谷鋼機も介在? 248億円の売上高水増しの疑い
2007年04月26日 08:00
[読売新聞]などが報じたところによると、先に【「元本部長の独断」「損失総額150億円、資産評価70億減、税金資産取崩30億円」「社長などは辞任」加ト吉が循環取引に関する報告書を発表】などでお伝えした【加ト吉(2873)】の循環取引について、名古屋証券取引所上場の【岡谷鋼機(7485)】も関与していたことが明らかになった。一連の問題で加ト吉以外の上場企業の名前が出たのは初めて。先の報告書では「愛知県所在の商社」と表記されていた会社で、この取引におけるかさ上げ売り上げ方は248億円を超える。元記事では今件について「関係者が明らかにした」と表記している。
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元記事や先に発表された報告書によれば、該当取引は5様態のうちの1つで、加ト吉の東京特販部が介在し、「愛知県所在の商社C」と「東京都所在の畜産・水産・冷凍食品の開発、輸出入販売会社D」が関与した循環取引。報告書ではC、D社が共謀して循環取引をしていたとし、加ト吉ではずさんなチェック体制で発覚が遅れたものの、意図的な関与はしていないと説明していた。この「愛知県所在の商社C」が岡谷鋼機である、と元記事では伝えている。
報告書ではこの取引における不適切な売上高は「(6年間で)東京特販部 売上高 24,846(百万円)」と説明されており、この数字をそのまま適用すると、岡谷鋼機が関与した売上高水増し額は248億円あまりということになる。ちなみに2007年2月期における同社の売上高は連結で8433億9900万円、純利益は93億2900万円。6年で割ると同社の売り上げ全体からすれば大した額ではないかもしれないが、売上高の粉飾など有価証券報告書への虚偽記載は、当然のことながら証券取引法で禁止されている。
今件について岡谷鋼機からは正式なリリースは流されておらず、元記事では企画部の話として「取引の有無を含めコメントできない」とだけ報じている。
事実の精査はともかく、この取引の対象が岡谷鋼機であったのかどうかについてだけでも、同社は明らかにすべきだろう。
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