昨年度の倒産状況、件数は9572件と9.3%増加・負債総額は減少~中小企業へのしわ寄せ傾向明らかに
2007年04月12日 08:00
信用調査会社の【帝国データバンク】は4月11日までに、2006年度における企業の倒産状況の集計データを発表した(【発表データ】)。それによると昨年2006度の倒産件数は9572件となり、2005年の8759件から9.3%増加したことが明らかになった。傾向としては負債総額は減る一方で件数が増えるという、「一件あたりの倒産規模の小型化」すなわち「中小企業」の状況が見て取れる。
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データでは2006年度における1000万円以上の負債を抱えて法的整理となった企業について、9572件とする一方、負債総額は2005年度の5兆7494億4100万円から8.6%減少し5兆2565億1500万円となっている。2005年度から倒産件数の集計方式が変更したこともあるが、全般的な傾向としては「倒産件数は増加」「倒産会社の負債総額は減少」という状況がここ6年間では見られる。
サービス業・小売業の
倒産件数増加は
個人消費の伸び悩みを
大きな要因としている
具体的なデータも一部公開されているがそれによると、負債100億円以上の大型倒産は前年度96件に対し82件と減少しているが、負債5000万円未満の倒産は前年度3277件に対し4024件と22.8%も増加。中小・零細企業の倒産が増加していることをあらためて明らかにしている。
また業種別では建設業(2664件、前年度比+10.0%)、サービス業(1610件、+16.2%)、小売業(1670件、+15.0%)、卸売業(1539件、+11.6%)の4業種で前年度比2ケタ台の増加率を見せており、別データの「販売不振による倒産:6631件、前年度比13.7%」などとあわせ、個人消費の伸び悩みがサービス業や流通業などに影響を与え、倒産件数の増加を後押ししている様子がうかがえる。
さらに地域別件数では関東が前年度比で減少となったもののその他の地域では増加。特に中国、四国、北陸地域では大幅に増加しているとのこと。これは地方の景気回復が遅れ、あるいはしわ寄せが行っていることを想定させるデータといえよう。
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