「年金に不安」は93.0%、個人年金を今後利用したい人は34.9%

2007年04月10日 08:00

株式イメージインターネットリサーチ会社【マイボイスコム】が4月9日までに明らかにしたところによると、将来の年金の受け取りに対して何らかの形で「不安」を感じている人は93.0%と9割を超えていることが明らかになった。公的年金の額・制度そのものに不安で、個人(民間)年金によって補完しようと考えている人も多く、すでに個人年金に加入している人も3割近くにのぼり、さらに「今後加入したい」と答えた人も3割超という結果が出ている(【発表リリース】)。

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今調査結果は2月1日から5日の間、ネット上で1万3173人に対して行われた調査で、年齢層としては30代がもっとも多く39%、ついで40代26%、20代19%となっている。いわば「そこそこお金周りに余裕が出てきて、将来の年金についてぼんやりとながらも考える」ようになった世代が、実際に年金をどう考えているのかをうかがい知れるレポートとして注目したい。

「将来の年金の受け取りに不安を感じているか」という問いには62.0%が「不安」、31.0%が「どちらかといえば不安」と答え、合わせて93.0%の人が何らかの形で不安をかかえていることが分かった。

「将来の年金の受け取りに不安を感じているか」
「将来の年金の受け取りに不安を感じているか」

年を経ることにつれて「不安」が減りその分「どちらかといえば不安」が増えているが、これは誤差の範囲か、それとも景気が少しずつでも良い方向に向かってきたあかしなのか。

公的年金(国民年金、厚生年金など)では将来の年金生活をまかない切れないと感じている人は、貯蓄をする他に、保険会社や郵便局など民間企業が行っている個人年金サービスを利用することになる。その個人年金について、加入しているかどうかをたずねたところ、すでに加入している人は29.7%と3割近くに登っていることが分かった。また、「加入していないが、今後加入したい」という、積極的に加入を検討している人は34.9%となり、これら二つをあわせた「個人年金肯定派」は64.6%と2/3近くにのぼる。

具体的な個人年金の加入先としては、各種有名保険会社の他に、郵便局や全労済、JA(農協)、銀行などの年金型預金など、さまざまな金融商品としての個人年金が活用されているのが分かる。ただ傾向としては、各種生命保険と共に個人年金にも加入しているパターンが多いようである。

個人年金に加入した場合、将来に備えて定期的に積立金を支払う必要が生じるわけだが、その個人年金の支払保険料をたずねたところ、「5000円以上1万円未満」がもっとも多く33.2%、ついで「1万円から1万5000円未満」が27.5%となり、この二つの層を集めた「5000円から1万5000円未満」がもっとも多い層(あわせて約6割)という結果になった。たばこや仕事を終えての一杯を少しずつ削り、どうにか手配できる額、というところだろうか。

「個人年金の月ごとの支払額」
「個人年金の月ごとの支払額」

運用実績と定期的な積み立ての意志の強さに自信があれば、企業に任せず自分で証券などの金融商品で運用し、将来それを取り崩す形で「自分年金」として利用すればそれで済み、わざわざ民間の個人年金を利用する必要はない。

ただ現実問題として、「毎月半義務的に一定額がサイフから差し引かれる」という仕組みを作っておかないとどうしてもお金を貯めていくのは難しい、と考える人がほとんどだろう。さらに多くの個人年金販売企業が提示している利回り以上の運用実績を自分ではじき出せるかどうか、自信がない人がほとんど(時間がないという人も多いはず)。

それらの問題を考慮すると「毎月自分の意志とは関係なく天引きされて将来のために貯蓄され、さらに運用までしてくれる」個人年金は、公的年金に不安をかかえサポートしてくれる頼もしいものとして、多くの人の目に映るのだろう。

今後ますます個人年金のニーズは高まるに違いない。それに伴い企業が提案する個人年金の種類も増えてくる。これまで以上にひとりひとりに選択眼が求められるに違いない。

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