ネット広告費が5年後には2倍以上の7558億円に・電通総研予想
2007年04月17日 08:00
【電通総研】は4月16日、2007年から2001年のインターネット広告費に関する試算を発表し、その中で「2011年にはネットの広告費が2006年実績の3630億円の2倍以上を上回る7558億円に達する」という予測を明らかにした(【発表リリース、PDF】)
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2006年におけるインターネット広告費は前年比129.3%の3630億円となるなど、伸長を持続している。今回の試算では今後もインターネット広告費は順調に伸び続けるとし、2007年には4534億円・成長率24.9%・成長金額は904億円が見込まれるという。
さらに2008年以後は年間成長率が1ケタ台に落ち着くものの5年後の2011年には規模は2倍以上に拡大し、5年間の平均成長率は15.8%、年間平均成長額は786億円を予想。中でもモバイル向け広告は2006年の390億円から1284億円と3倍以上の成長率が期待できるとのこと。
インターネット広告費予測結果
固定ネット広告の伸びについては「ブロードバンド環境の整備」「企業側のサイトと結びつけた広告展開の増加」「動画サイトやSNS、ブログなど消費者コミュニティへの注目」などが大きく寄与する。
一方モバイル広告に関しては普通の表示型広告だけでなく2007年から計測が可能となった「モバイル検索連動広告」(リスティング広告)の伸びが著しいと予想。
モバイル広告費予測結果
この「モバイル検索連動広告」の伸びが、携帯電話ユーザーのの新世代機への乗り換えとパケット定額制普及、お財布ケータイ機能やワンセグの導入などがモバイル広告の伸びを後押しすると推測している。
またモバイル版をのぞく検索連動広告(サイト上の内容にあわせて広告が自動配信される「コンテキストマッチ広告」を含む)は、投入した費用に対する効果が測定しやすい特徴を持つため、企業の注目度も高まり、今後は「コンテキストマッチ広告」のさらなる普及とあわせ額そのものの増加だけでなくインターネット広告費全体に占めるシェアも増加すると予想している。
インターネット広告費が増加しているという調査結果と、今後も増え続ける予想が出たことによって、いくつかの結果・予想ができることになる。「インターネットの広告対象媒体・メディアとしての認知度が高まりつつある」ことは間違いないし、「費用が安い上に効果が上げやすいことから、中小企業や地方企業にも利用がますます広まる」ことも容易に想定ができる。さらに「検索」「携帯」という2つのキーワードがこれまで以上に重要視されることだろう。
その一方、テレビや新聞、雑誌など既存メディアでは、(広告出稿元の予算が急増するとは想定しにくいため)ネット広告が伸びる分だけ「割を食う」可能性が高い。広告収入を主要な収入源としている以上、欧米の新聞社がインターネットとの結びつきを強くして時代にあった変革を試みているように、何らかの「変化」が求められることだろう。
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