主婦が外為取引で4億円を脱税、東京地検に告発される
2007年04月12日 19:30
日刊スポーツなど各メディアが伝えるところによると、【東京国税局】は4月12日までに外国為替証拠金取引(FX)で多額の利益を得ながら確定申告をせず、2005年までの3年間で約4億円の所得を隠し、約1億3000万円を脱税したとして、所得税法違反容疑で東京都世田谷区の主婦(個人投資家)、池邉雪子氏(59)を告発した。
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FXでは預けた資金の数倍から数百倍もの外国為替を売買すること(レバレッジをかける)ことができるが、この主婦は本人や家族の名義で口座を開設。数年前に死去した母親からの相続財産を元手にこのFXや商品先物取引に投資を行い、多額の利益を得ていた。
しかし商品先物については利益を申告したものの、FXについては家族名義の口座を利用するなどし、申告から除外、脱税していたという。FXの取引は基本的に店頭取引であれば取引記録が税務署に提出されないため、利益を得ても脱税の温床となる場合が多い。今回も利益を隠し、税務申告していなかった。
元記事によると隠した所得はこの家族の預金口座で管理していただけでなく、自動車の購入費にも充てていたと話しているとのこと。また脱税した分はすでに修正申告を済ませていると共に、主婦の夫は「FXは老後の蓄えにと始めた。(申告しなかったのは)取引についての知識がなかったから。本人も反省している」と弁明しているという。
種銭がいくらだったのかという報道がないのでどれくらいの利益率かは分からないが、利益分だけでも4億円というのはそれなりに優秀なパフォーマンスと見てよいだろう。とはいえ、脱税は脱税。
ましてや夫の弁では「知らなかった」「知識が無かった」とのことだが、知識が無い者が(儲けたこと自体はともかく)そもそも商品先物とFXを同時に、しかも店頭取引で、さらに家族名義を使って別々の口座を設け、なおかつFXの分だけ申告をせず、そしてしかもFXの分だけ自分の名前ではなく家族の口座を使うという「曲芸」ができるだろうか。首をかしげまくって百八十度くらいに回転させたいくらいの謎が感じられる弁解ではある。
ちなみに先の【個人投資家、先物などの利益7億6000万円の脱税で告発】といい、最近FX絡みの「大儲け→脱税」話が相次いでいるが、リターンが大きいということはそれだけリスクも高いことを意味する。「100倍儲けられる可能性がある」ということは同時に「100倍損する可能性もある」ということに他ならない。いくつかの成功事例だけを鵜呑みにして、やけどすることのないよう、くれぐれもご注意あれ。
(最終更新:2013/08/21)
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