1クラスにぜん息は2.28人、アレルギー性鼻炎は3.68人……文部科学省の調査結果正式発表

2007年04月23日 06:30

医療イメージ先に【小学校の1クラスに3人はぜんそく、アレルギーへの理解は不足気味】でお伝えした、【文部科学省】によるアレルギーに関する調査結果の一部が4月13日に公開された(発表リリースページ)。それによると調査対象全体で5.7%の児童がぜん息を持ち、アレルギー性鼻炎については実に9.2%におよんでいることが明らかになった。クラス人数を40人と想定すれば、それぞれ2.28人、3.68人という計算になる。

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この調査は2004年5月1日現在の小・中・高・中等教育学校3万6830校を対象に行われたもので、有効回答児童数は1277万3554人と大規模なもの。

児童生徒全体のアレルギー疾患有病率
児童生徒全体のアレルギー疾患有病率

今回発表された概要は小学校だけ、中学校のみというような学校別のデータではなく全体のデータのみの公表だが、それによるとぜん息持ちは5.7%、アトピー性皮膚炎は5.5%、アレルギー性鼻炎は9.2%、アレルギー性結膜炎は3.5%、食物アレルギーは2.6%となっている。また、アナフィラキシーについては0.14%という数字が出ている。

当方もかつてその辛さを経験している「ぜん息」についてだが、発作時の緊急連絡網を整備している学校は全体で58.0%、授業などの参加について配慮をしている学校は70.3%とそれなりに高い数字が出ている。その一方で「学校側が持参薬の確認をしている」は36.7%と低く、医療事故の防止や健康状態の把握を行う上でも、この点における情報の共有が(特に小中学校で)必要と思われる。

アトピー性皮膚炎については「授業などの参加の際に配慮をしている」学校は46.2%に留まり、温水シャワーなどの設備の充実にいたっては14.8%でしかない。アトピー性皮膚炎にとって汗や紫外線、さらにはプールの消毒液などが悪影響を及ぼしうるという情報を学校側に周知させることが、今まで以上に重要となるだろう。また「温水シャワーの設置」は学校経営などの観点からすると、難しいものがあるのかもしれない。

食物アレルギーに関しては、給食などにおいて配慮をしている割合は80.9%に及んでいる一方、緊急時などにおける連絡体制を整えているのは51.9%と約半数でしかなかった。また、「配慮をしている」80.9%と、そもそも該当者が居ない8.2%を除くと10%強の学校で配慮が行われていない可能性がある。

昔と比べると給食もバラエティに富むようになり画一性が薄れてはいるものの、皆が同じような給食を食べているなかで「自分だけアレルギー対応のお弁当を食する」という状況は、理解していても心境的には辛いものがある。リリースでは「食物の除去の必要性等の医師による判断に応じて、学校の現状に応じた代替食等の学校給食での取組が進められることが望ましい」とあり、代表的な食物アレルギーについては独自のメニューによる給食配膳も行われているようだが、子どもの心を傷つけることの無いような配慮を望みたいところだ。

余談ではあるがこのリリースについて、11日に一般マスコミに向けてリリースが出されたあと、13日になって文部科学省のサイトに掲載されているが、サイト上ではさかのぼって11日に公開、という表記が行われている。「マスコミに向けて発したのが11日だから『公表した』という表記である以上11日の日付でよいだろう」という判断なのだろうが、正確な掲載日を記載してほしいものである。「日付の偽装」とは言わないが、混乱すること極まりない。

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