今回の調査は3月8日から18日までの間、【ジャパンガイド】上(ネット上)で行われたため、「日本に興味を持つネットユーザー」というカテゴライズがなされたことを考慮に入れる必要がある。回答数は1360人分、国数は109か国に及ぶとのこと。

●日本食大好き

日本食を食べたことがある人は全体の92％に及び、具体的な「好きな日本食」として「寿司・刺し身」「ラーメン」「天ぷら」が上位に上がった。独特の香りただよう「納豆」は残念ながら(?)16.3％しか支持者がいなかった。

また、特に人気の高い寿司について「好きな寿司ネタは何か」とたずねたところ、日本人同様に「マグロ」と答えた人がもっとも多かった。日本に住んでいる外国人にいたっては7割近くが好き、と答えている。トップに立つ「マグロ」以外に「卵焼き」や「ウニ」「イクラ」「アマエビ」などは、日本に行く予定のある人より日本に住んでいる人の方が評価が高く、「日本で本物の寿司を食べて価値観が変わった」という人が多いことがうかがえる。

●庭園や城、温泉に行きたい

日本で行ってみたいところはどこか、という問いには、7割以上の外国人が「日本の庭園」と答えている。これは全年齢層にわたっての傾向で、特に40代・50代の人は8割近くを占めている。次いで「日本の城」「温泉」という回答が出ている。

年齢別では10代が「100円ショップ」(61.9％)「漫画カフェ」(73.3％)「東京ディズニーランド」(61.2％)と今風の場所に行きたい傾向が強い。一方で「相撲」「神社仏閣」など古式豊かな場所へのニーズは年齢を経ると共に増える傾向にあるようだ。

●優れているのは製造業、興味があるのは芸術・文化・食

「日本が一番優れていると思うものは」という問いには、83.7％もの人が「製造業」と答えた。油断は禁物だが、「製造業立国」としての面目を保てた感じだ。次いで「芸術・文化」「食文化」「エンターテインメント」が続き、「政治」はもっとも低く8.1％。他の項目と比較して桁違いという、あまり笑えない結果となった。日本人同様外国人の目から見ても、「政治三流」に違いないということなのだろうか。

一方で「興味を持っているものは」という問いには、「芸術・文化」がもっとも多く77.2％を占め、次いで「食文化」が64.0％、そして「製造業」が63.3％となった。萌えだのアニメだの漫画だのと騒がれてはいるが、「エンターテインメント」の分野の順位が「優れているもの」と共に低いのが意外である(あるいはこれは統計を取った外国人の傾向によるものかもしれない)。

●「ビューティフル(美しい)」「ピースフル(平和な)」、そして「庭には二羽のニワトリがいる」!?

自由記入形式で「Japan(日本)」と聞いて連想する言葉をたずねたところ、もっとも多かったのは「beautiful(美しい)」だった。また、「peaceful(平和な)」「polite(礼儀正しい)」などの形容詞も多かったという。名詞では「sakura(桜)」が一番多く、「sushi(寿司)」「anime(アニメ)」「manga(漫画)」と続いている。日本国内では「外国人が知っている日本語って、フジヤマ、ゲイシャ、サムライ、最近ではニンテンドーとイチロー、ゴジラだろう」という印象が強いが、今回リストアップされた単語はそれらを上回る得票を勝ち取ったのだという。

「具体的に知っている日本語は」という問いには「arigato(ありがとう)」がもっとも多く寄せられた。日本人が最初に覚える英語の一つに「Thank you」という言い回しがあるのと同じである。他にも「konnichiwa(こんにちわ)」「sayonara(さよなら)」「ogenki desu ka?(お元気ですか)」など、やはり日本人が覚える優先順位が高い英語をはじめとした外国語と同じものが続く。「まずはあいさつを」という考えは世界共通のようだ。

その一方、「niwa niwa niwa niwatori ga aru(庭には二羽のニワトリがいる)」「saru mo ki kara ochiru(猿も木から落ちる)」など、格言や早口言葉という、「実際にどんな状況下で使うのだろう」「誰が教えたんだ」と考えたくなるような言葉を答える人もあったという。

日本に実際に住んでいる人もあわせ、海外の人が日本をどのように思っているのか、その一端がイメージできるようなアンケート調査といえよう。