日興、シティグループとの資本業務提携を公式発表・TOB価格は1350円
2007年03月06日 19:30
【日興コーディアル(8603)】とアメリカの銀行最大手シティグループは3月6日、資本業務提携を締結し、シティグループが日興の株式の過半数を取得するため株式の公開買い付け(TOB)を実施することで合意したと発表した(【発表リリース、PDF】)。公開買い付けの価格は1350円、3月6日の終値1340円を10円上回る水準となる。
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両社の資本業務提携の事由はほぼこれまでに報じられた通り。日興側は上場の廃止の有無を問わずシティグループとの提携で信用回復を図り、シティグループ側は日興を日本への証券業務展開の橋頭堡とする。
買い付けは今後1週間以内の日をメドに、各種問題点がないことを確認するなどの条件を満たした上で開始される。買い付け価格は1350円で、対象は「すべての株式」で、少なくとも過半数の取得を目指す。つまり、可能であれば完全子会社化を目指すことになる。また、日興の上場廃止が仮に決定されたとしてもTOBは実施されることになる。
記者会見において顔を見せた両社の代表者は次のようにコメントしている。
●シティバンク在日支店ダグラス・ピーターソンCEO
「今回の提携はシティグループの日本市場への思いを表すもの。そしてこれは我々の国際戦略に一致している」
●日興コーディアルグループ桑島正治社長
「世界にインフラを持つシティグループと提携関係を一層強化することが最良の選択であるという結論に至った。失った信頼を早期に回復させていきたいと考えている」
また、今回の提携に伴い、仮に日興が上場廃止となった場合でも、同社の上場廃止決定後一定期間、ローンや社債などの方法で、資金ショートがおきないようにシティグループから日興に資金供与が行われ、信用を補完する「信用補完契約」も締結している。
今回の提携により、本来であれば上場企業を指導する立場にある証券会社の不祥事に端を発した一連の事件は、大手証券会社の外資傘下入り・日本の証券業界の勢力図を大きく塗り替える結果をもたらすことになった。
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