【更新】TBS(9401)、楽天(4755)の株式買い増し報道に買収防衛策などで「受けて立つ」と発表
2007年03月31日 10:00
【TBS(9401)】は3月30日、一部報道が「[楽天(4755)]がTBSの株式を買い増しすることを検討している」と報じたことについて、「楽天がもしそのような行為に出るのなら、公表済みの買収防衛策に即して「買付意向説明書」の提出など手続きをしてもらうように」とし、全面的に立ち向かう姿勢であることを明らかにした([発表リリース、PDF])。
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これは[朝日新聞]などで「楽天が現在19%強保有しているTBS株式を買い増す方向で検討している」と報じたもの。これに対してTBSでは「20%超の同社株式を持つ敵対的買収者に対抗する防衛策の導入」を発表し、これから6月に開かれる株主総会で決を取る予定。TBSでは現経営陣への支持・安定株主が6割に達するともされ、この案が可決されれば楽天にとってはTBSとの事業提携交渉にとっての切り札の威力が弱まることにもなり、足かせにもなりかねない。
そこで楽天としては、ブラフの意味でもこの買収防衛策が可決される前に買い増しをして、ゆさぶりをかけるのではないか、という考えがある。今件の報道について楽天側でも「、企業価値の最大化に向けて、さまざまな選択肢について検討中であり、現段階では未だ決まったものはありません」([リリース、PDF])とだけコメントし、否定も肯定もせず、選択肢のひとつであることを匂わせている。
また、TBS側のリリースにより、昨今のTBSと楽天間の交渉の経緯も明らかになった。簡単にまとめると次のようになる。
・「20%超の株式を取得する」と楽天側から言われたことはない。また、買い増しする時には必ず事前連絡を入れるといわれている。
・2月28日に発表した買収防衛策にあるように、買い増しをするのなら「買付意向説明書」を提出するよう求めており、それを含む手続きをしてくれると信じている。
つまり、まだ総会で可決はしていないものの、すでに公表してある買収防衛策に基づいて行動するという姿勢を明らかにしている。
今回の報道が推測記事、勇み足的なものであったのかどうかはわからない。ただ、すでに[このリンク先のページ(tbs.co.jpなど)は掲載が終了しています]にもあるように信託銀行預かりとなっていた楽天所有の大部分のTBS株式も楽天の手元に戻り、一触即発状態にあることに違いはない。そのまま千日手的に両社がにらみ合っていても、今現在においては楽天側に不利になるばかりなのは必然であることから、今後楽天側から何かアクションを起こすことは間違いないだろう。
それにしても。【TBS「みのもんたの朝ズバッ!」で不二家報道にねつ造問題発覚、TBSは事実を認めるも「ねつ造などはない」】で報じたような手前の不祥事には甲羅に閉じこもった亀のように何も言及しないのに、今件については素早くリリースを流すあたり、TBS側の「マスメディアとしての姿勢」がうかがえる気がするのだが、どうだろうか。
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