「四季報」「会社情報」最新版発売開始・四季報相場もスタート!?
2007年03月16日 08:00
個人投資家にとってはバイブル的存在である、上場企業の各種データが掲載されている『会社四季報』と『日経会社情報』の最新号が3月15日に発売された。今や「四季報相場」という言葉が通用するくらい、少なからぬ影響を及ぼすこの2経済誌の発売に、当然のことながら注目が集まっている。
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「会社四季報」も「日経会社情報」も、上場企業のすべてについてトータルに、かつさまざまな視点からデータ自身やその分析を掲載しており、まさに「手のひらに上場企業のすべてが収まる」一冊となっている。世間一般的には「四季報」の方が知名度が高いが、分析の視点や表示方法などに違いがあり、一概にどちらが良いとは言い切れない。両方を手に取り中身を見て、自分の好みに合う方を選ぶとよいだろう。また「会社四季報」も「日経会社情報」両者とも卓上版の大型サイズと持ち運びが簡単なミニ版が用意されている。購入の際にはお気をつけいただきたい。さらに大手オンライン証券会社のサービスでは、ほぼすべてにおいて「日経会社情報」ではなく「会社四季報」のデータが反映されている。
これら2誌の発売直前から、「内容を見てこの企業は駄目と読めるので売り、これは将来性があるから買い」という形で投資行動を決める投資家がいる、あるいはいるだろうからそれに先行する形で売買が行われ、俗に言う「四季報相場」が形成されるという話もあるほど。実際、この時期に値が上がる銘柄の中には「四季報のコメントがよかったから」という以外に買い材料が見当たらないものも数多く存在する。
「会社四季報」の特徴として、掲載された直近データだけでなく、編集部サイドからそれぞれの企業に対して2つの項目でその企業に関するコメントが語られている。これが非常に興味深い。まず一言で概要を語り、さらに限られた文字量の中でダイジェスト的に明確にその企業の実情や将来性について説明している。制限のキツい条件の中で、極めてシンプルかつダイレクトな内容になっている。手持ちの銘柄や監視対象銘柄のコメントを見て、一喜一憂することは間違いない。
例えば当方が主要口座にしているEトレード証券では(恐らく徹夜に近い形で入力したのだろう)すでに最新版の会社四季報データが反映されており、その中で手持ち銘柄の一つ【タナベ経営(9644)】のコメントを見てみると次のようになっている。
【小幅増】販促が手帳の復活で想定超える好調。営業益横ばいに増額だが、会社計画の営業益7・18億円はなお過大。08年3月期も販促は手帳の復活テコに連続2ケタ成長続くが、好採算のコンサル回復途上。営業益小幅増止まり。50周年記念配上乗せか。
【新 設】販促事業の拠点を4月に新横浜に新設。ニーズ強い教育コンサル足がかりに中堅企業からの経営協力案件獲得狙う。
良いのか悪いのか判断しにくいコメントではある(笑)。
客観的な事実と編集部側の観測がおりまぜてあるため、どこまでを信じきって良いのかわからないが、不特定多数の人が目を通し信頼していることもあわせて考えると、それなりの判断材料の一つとしてもよいだろう。
上記に挙げたタナベ経営は業績堅調であるがためこのようなコメントになっているが、中には事前速報で「もはや『経営』ではない」と評されたところが「業容縮小」「大損」と評されるなど、ストレートであるがための驚きな表現が用いられているのもある。
「株価に一喜一憂しない」とは前首相が残した有名な言葉の一つ。その言葉をなぞれば、多くの投資家にとっては四季報に対し「四季報に一喜一憂しない……というけどちょっと難しいよね」という本音が心境に近いようだ。
最新版四季報などをチェックして「この表現はないだろう」という面白企業があれば、ぜひ掲示板などでお伝え願いたい。
(最終更新:2013/09/12)
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