待ち時間のイライラを解消できるか? 国土交通省が踏み切り遮断時間表示システムを実験中
2007年03月15日 06:30
【国土交通省】では3月13日から東京の2か所の踏み切りにおいて、踏切が通好を遮断する時間を表示するシステム「踏切遮断時間表示システム」の実証実験を開始している(【発表リリース】)。現場にいる人なら誰もが思う、「開かずの踏み切り」における「あと何分で目の前の踏切が開くのか」という情報ニーズに応え、ムリな横断を防ごうという狙い。
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3月13日には京王電鉄京王線千歳烏山4号踏切で実施され、本日15日と16日には京王電鉄京王線芦花公園5号踏切で実験が行われる。システムそのものは2種類、線路脇に立った観測員が無線送信する列車通過情報を元にしたもの、そして列車に持ち込んでいるGPSの位置情報わ使うものの二種類を用意し、精度や利用者の対応などを計測する。
前者にはGPS・ノートパソコン・PHSカードを利用。解析用サーバーを経由してデータをやりとりする。事前の車内設備設置が必要だったり通信障害などによるシステムの作動ミスの可能性がありえるが、システムとしての精度は高く、安定性も期待できる。
後者は路線上の複数個所に観測員を配備し、携帯電話のボタン操作で列車の通過をサーバーに送信し、そのデータを解析用サーバーで分析して結果を装置に送信する。ハード的には小規模な設備投資で済むが、仕組み的に踏み切りの数の倍数だけ観測員が必要になる。
GPSによる列車位置計測と人手による列車位置計測
待ち時間が長い横断歩道だと、少しずつバーが下がっていき、あるいは棒グラフが短くなり、「あとこれだけでまた通れるようになりますよ」という表示が行われるタイプのものがある。複数箇所で見受けられるということは、それだけ効果がある証でもある。踏み切りでも同様の効果が期待できるだろう。
ただし横断歩道と違い、踏み切りの場合は短くて数分、場所によっては数十分も通行を止められる場合がある。数分しか待たずに済む横断歩道で有効だった手段が、果たして数十分もまたされる踏切で有効なのかどうか、人間の行動心理学的な考察もあわせ、気になる実験といえる。実証実験の結果報告を待ちたいところだ。
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