裁判員制度のアピールに「家裁の人」原作者協力の漫画発刊

2007年03月09日 06:30

「裁判員になりました-疑惑と真実の間で-」イメージ【日本弁護士連合会(日弁連)】は3月8日、2009年までにスタートする裁判員制度の理解を一般に広げるため、裁判員選びから裁判の判決までを物語にした漫画「裁判員になりました-疑惑と真実の間で-」を発刊したと発表した(【発表リリース】)。

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「裁判員になりました-疑惑と真実の間で-」イメージ裁判員制度とはアメリカでおなじみの、一定の刑事裁判において国民から事件ごとに選ばれた裁判員が裁判官とともに審理に参加する司法・裁判制度。衆議院議員選挙で選挙権を持つ人の中からくじで選ばれた人たちを元に、地方裁判所が裁判員を選ぶが、特定の理由以外は参加を拒むことができない。うそをついて断ったり出席しない場合には罰金・過料が課せられる。

強制参加であることや裁判員の秘密保持の問題、匿名性や安全の確保に関する問題、法律の素人に裁判の結果を左右されて良いのかという問題など、本来司法への信頼を確かなものとするための裁判員制度であるが、問題は山積みで否定的な意見を持つ人も多い。

そこで日弁連では、裁判官を描いた物語『家裁の人』の原作者である毛利甚八氏を原作に迎え、『幡地英明』氏が作画を担当、日弁連が監修をしたストーリー漫画「裁判員になりました-疑惑と真実の間で-」を発行して裁判員制度の啓蒙をすることになった。

日弁連初監修となるこの漫画は、B5判80ページのもので、税込み100円で一般販売している。ただし一般書店には入荷されず、東京・霞が関の弁護士会館地下1階のブックセンターでのみ販売され、あとは通販での販売のみとのこと。

予算の面などもあるのだろうし、100円という単価を見る限りでは商売っ気はまったくないと思われる。が、裁判員制度の啓蒙という一義的な理由を果たしたいと思うのなら、一部他の官庁のように内容すべてをPDF化してネット上から自由に閲覧できるようにし、誰でも読むことができるようにすべきではないだろうか。裁判員制度の啓蒙をすべき対象の人たちが、わざわざお金を払って裁判員制度の啓蒙漫画を買って読むとは思えないからだ。公的機関には無料配布されるので、そこを通じて読まれる可能性はあるが……。


(最終更新:2013/09/12)

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