「ワイワイマップ」は元々ヤフーが提供している、【Yahoo!地図情報】を利用し、利用者一人一人が独自の地図を創り上げるサービス。例えば「日本一の場所マップ」だと日本全土の「日本一」な場所を確認できる。他にも「関東サッカーグランド」のように比較的広めだが地域が限定された場所のデータ、「東京都渋谷区・ダーツバーマップ」のような狭い地域でのデータなど、対象範囲をさまざまに絞り込んだ「独自地図」を作ることが可能。

六本木周辺おすすめランチデータ。特定ポイントには写真こみのデータを投稿でき、さらにその場所へコメントをつけることも可能。

これらの地図は、ヤフー側から提供されている地図情報に各場所の名前やコメント、さらには画像を投稿して独自の「地図上案内」として作成される。作った地図は3種類の公開レベル「一般公開」(閲覧・投稿共に○)「一般公開」(閲覧のみ○)「非公開」(閲覧、投稿共に×)を設定できるので、それぞれ「地図上のデータの共有・CGM化」「オリジナルの地図のお披露目」「個人利用のメモ的地図(例えば営業のための巡回予定図)」などに利用できるだろう。

さらにヤフーの他のコンテンツと似たような機能も盛り込まれている。最近流行のタグクラウドはもちろん、「人気急上昇マップ」「マップランキング」「作成者ランキング」など各種ランキングが用意され、地図投稿のモチベーションを高めさせる仕組みが用意されている。また各地図にはヤフーのニュースにあるような5点満点でつけた評価の平均点が表示され、人気の度合を確かめることも可能。当然利用者ごとに好きな、お気に入りの地図を登録し、それらだけを表示する「Myページ」も用意している。

非公開レベルでの地図作成は先に例示したような、スケジュール表同様に「メモ書き的な地図」として使える。これまでマップサービス上でポインティングをすることはできても、それをパーソナルユースで保存し再利用できる仕組みは無かっただけに、非常にありがたい。外回りをするサラリーマンなどには重宝されるに違いない。

また、閲覧と投稿が共にできる公開レベルでなら、特定地域(例えば秋葉原や上野)の観光情報のCGM的情報共有化ツールとしても使えるし、公開レベルと「閲覧のみ○」とすれば、さまざまな視点からの「地図情報のお披露目」が可能になる。ランキングを見ても、例えば「心霊スポットマップ」「つけめんマップ」「ほたるが見れる場所」などエンタメ性の強いものから「駅トイレ情報」「ドライブ休憩マップ」などのように、実に実益性の高いものまで多種多様なものが存在している。

公開直後なためか、もっともニーズがあるだろう地域の一つ「秋葉原」関係のマップは一つしかなく、投稿スポットも多くなかった。これから充実するに違いない。

特に観光案内系のマップでは、写真の投稿も可能なのが強い。例えば自分が実際に足を運んだ観光スポットのようすをその場で撮影した写真と共に地図化すれば、非公開モードなら旅の思い出マップとして使えるし、公開モードにすればちょっとした本格的旅行体験記が完成する。

今回公開された「ワイワイマップ」は既存コンテンツに色々と手を加え、ユーザーに加工利用してもらう仕組みを提供し、新しい価値を創造してもらう仕組みの一つ。ヤフーのようにバラエティに富んだコンテンツを持っている場所なら、その使い方を工夫することで、さまざまな新しい価値を創生できるという良い例だろう。

今後「ワイワイマップ」では、「ああ、なるほど! 地図情報を共有化するとこういうこともできるんだ!!」というような、素晴らしい発想に基づいた地図が続々公開されることだろう。さらに(私案ではあるが)SNSサービスとリンケージして、公開レベルに「特定SNSコミュニティ内でのみ公開可能」「SNSでの日記公開レベルと同じレベルの人まで公開可能」という設定を設けられるようにすれば、利用価値はさらに高まるに違いない。

「ワイワイマップ」の今後に、大いに期待したいところだ。