未来的ヘリコプター「オスプレイ」装備の海兵隊、訓練終了

2007年03月04日 12:30

オスプレイイメージ【Air Force Times】が報じたところによると、ティルトローター型で一般にはオスプレイ(Osprey)と呼ばれるヘリコプターMV-22(海兵隊向け仕様)を装備する、ノースカロライナ州の第8海兵隊の基本訓練が終了した。今後彼らの活躍する場では、目を引くスタイルを持つオスプレイから海兵隊の猛者たちが登場することになる。

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オスプレイイメージオスプレイは「垂直離着陸ができるヘリコプター」「速度が速く航続距離が長い通常の飛行機」の両方の利点を併せ持つような機体を、との要望から開発されたヘリコプター。胴体部分や電子機器をボーイング社が、他の部分をヘリコプターで有名なベル社が担当している。

オスプレイは主翼の両端に大型のローター(プロペラを回す部分)を装備したエンジンを装備し、このエンジンの角度を変えることで、ヘリコプターのように垂直離着陸もできるし、飛行機のように飛ぶことができる。また、ローターを斜め前に傾ければ、短距離離着陸も可能とされている。固定翼をも併せ持つため最大速度は300キロノットと通常のヘリコプターの1.5倍程度の速さを持ち、航続距離も3500キロを超える。また、空母などでも容易に利用できるよう、ローターと主翼は折りたたむこともできる。

「両者のよいところを併せ持つのだから万能では」という意見もあるが、その複雑な構造から仕様上のミスや操縦ミスなどで事故が相次ぎ、開発は遅れに遅れ1982年の計画開始から2005年10月にようやく量産第一号機が空軍に引き渡され、2009年までに実戦配備が行われる予定。

訓練に参加した、ある小隊の小隊長Dan Young中尉は「まったく見事な着陸だ」と評価した上で「実はオスプレイへの搭乗をためらった気持ちもあった、色々と噂を聞いていたからだと」と心のうちを明かしてくれた。なにしろオスプレイにはいくつもの墜落事故が発生しており、少なからぬ犠牲者も出ていたからだ。しかし「今世紀に入ってからは」大きな事故もなく、今回の部隊単位での訓練終了に無事こぎつけたことになる。

オスプレイを装備した同海兵隊今後実戦配備のための訓練に移行する。今年の夏か秋にはその訓練も終えて実戦配備につくだろう、ただしどこへ展開するのかはいまだ語られていないという。

現代戦のシミュレーションゲームや近未来の戦争映画やスパイモノには、その姿がSFチックなことから必ずといってよいほど登場したオスプレイ。実際の諜報戦や実戦で活躍するような場面は起きて欲しくないものだが、災害救助などの事態にも大いに活躍するに違いない。特に海兵隊の場合、そのようなシチュエーションも多いだろう。その点でもむしろ平和利用の面でその力を発揮してほしいものだ。


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