【更新】NHK受信料問題・自民片山氏「2割値下げを」NHK橋本会長「ムリ」
2007年03月04日 09:00
総務省がNHKの受信料の支払い義務化を放送法改正案に盛り込む代わりに、NHKが改革を行い受信料を2割程度値下げするのをセットにした形でNHK側に求めているのに対し、NHK側が「義務化はありがたいが2割値下げを来年度からというのは確約できない」と首を横に振っている問題で、自民党通信・放送産業高度化小委員長の片山虎之助参院幹事長とNHK橋本元一会長が国会内で対談、橋本会長側は従来の姿勢を断固として崩さず、片山氏も新たな打開策を提示するよう求めるに留まった([産経新聞]など)。
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これは【「不払い3割は危機的事態」総務次官語る・NHK会長「今年度支払い義務化は諦め」の姿勢へ】でも報じたようにNHKサイドが3月1日に、「総務省の申し出は受け入れられない。来年度から受信料2割削減は無理。今年度の放送法改正案に支払い義務化が盛り込まれなくても仕方ない」という、総務省側の意向を拒否する姿勢を明確にしたため、菅義偉総務相は自民党に調整を依頼。そこで片山氏がNHK側と対談を求め実現した。
しかし橋本会長は改めて「来年度(2008年度)からの受信料2割値下げは取り入れない」というこれまでの主張を繰り返すに留まり、片山氏も打開策として「義務化で増収された場合の契約者に対する具体的な還元策など、将来の受信料引き下げ方針を経営計画などに明記すればどうか」と提案。これについて橋本会長は回答を留保した。片山氏もNHK側からの回答を待つとしている。
一方菅総務相は3月1日のNHK側の拒否宣言を受けて3月2日、「非常に残念なこと」と不快感を表明したという。
素晴らしい番組を数多く提供しているNHKの存在価値は計り知れないものがあるが、だからといってトップが傍若無人に振舞ってよいものではない。「受信料義務化の法制化」という切り札さえ袖に振られた政府側が有効な手立てを持たなくなったのをいいことに、NHK側は誰の話にも耳を貸さずに唯我独尊な姿勢を取り続けているような気がしてならないのだが、どうだろう。そのような姿が、政府側の放送命令を拒否する際によく持ち出す、「マスコミ」としてあるべき形なのかどうか、鏡に自らの姿を映して考え直すべきだ。
むしろNHKには、その「鏡」を用意する改革こそが、まずは必要なのかもしれない。
「2割値下げで2008年度から受信料支払い義務化」(1月11日、菅総務相)
「もう限界だから受信料値下げは無理」(1月12日、NHK会長)
「合理化すれば値下げは可能」(1月16日、総務次官)
「今の受信料のままでは国民が許さない」(1月17日、菅総務相)
「支払いを義務化しても受信料がすぐに増えるわけではない」(1月17日、NHK経営委員長)
「状況を見極めたうえでお答えせざるを得ない」(1月17日、NHK橋本会長)
「きちんと説明できる態勢作りをしろ」(1月17日、菅総務相)
「値下げはすべきだが受信料義務化で契約者数が増えてから」(1月18日、民放連会長)
「徴収コストがかかりすぎ。抜本的な見直しをして数値目標を設定しろ」(1月26日、菅総務相)
「値下げは将来的にはしたい。でも分からない。具体的な数字は挙げられない」(1月26日、NHK橋本会長)
「料金体系の抜本的見直しを9月までにまとめる。その中で可能ならば値下げを考慮する」(1月31日、NHK橋本会長)
「受信料支払いの対象を把握するために住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を使いたい」(2月1日、NHK橋本会長)
「9月では遅い。もっと早く結論を出せ。住基ネットなど必要は無い。現在の住民票による調査で十分だ」(2月2日、菅総務相)
「住基ネットのデータは不必要。既存システムでやりくりしろ」(2月5日、総務省松田隆利事務次官)
(ここまでで「2割値下げと総務省は言うがその根拠を示せ」NHK側)
「2割値下げの根拠を4パターンに分けて提示した。今後さらに精査してつめていく」(2月5日、総務省)
「色々考察する必要があるので値下げができるかどうかの試算に9月までかかることは譲れない」(2月13日、NHK経営委員長)
「受信料義務化は必要だがNHKの改革とワンセット。今は全然改革が進んでいない。だから義務化には反対」(2月23日、総務省タスクチーム)
「受信料義務化のタイムリミットは3月13日。それまでにNHK側は誠意ある態度を示せ」(2月27日、菅総務相)
「(総務省がなんと言おうと)料金体系の抜本的見直しは9月末までかかる。それは譲れない」(2月27日、中川潤一理事・小林良介理事)
「放送法改正案とりまとめとNHKとの折衝役の課長を更迭」(2月28日、菅総務相・総務省)
「今年度の受信料義務化見送りも止む無し。試算にはどうしても9月までかかる」(3月1日、NHK橋本会長)
「NHKの対応は責任感がない。危機的事態を認識して一刻も早く改革すべき」(3月1日、総務省松田隆利事務次官)
「2割値下げを」→(ムリ、という回答に対し)「義務化した場合の値下げを経営計画に明記しろ」(3月2日、自民党通信・放送産業高度化小委員長の片山虎之助参院幹事長)
「(NHK側の拒否に対し)非常に残念なこと」(3月2日、菅総務相・総務省)←今ここ
(最終更新:2013/08/22)
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