ローソン、ショップ99と資本・業務提携。低価格ショップの統合も視野
2007年03月01日 08:00
コンビニ第二位の[ローソン(2651)]と100円(99円)ショップ「SHOP99」の【九九プラス(3338)】は2月28日、業務・資本提携をすることで両社が合意したと発表した(【発表リリース】)。九九プラスが第三者割当増資をローソンに対して行い、31500株を1株あたり12万1700円で割り当てる。総額は38億3355万円。割り当て後のローソンは九九プラスの株式20%を保有し、第二位株主になる。
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リリースなどの説明やこれまで報じてきたようにローソンでは既存店の売り上げが低迷し、さまざまなスタイルの新店舗の展開や規模の拡大で起死回生を図っている。一方九九プラスは急激な店舗拡大があだとなり利益率が急速に低下。店舗閉鎖などリストラを進めているが、2007年2月は最終利益が赤字に転落する見通し。
今回の提携によって両社が足りない部分を補い、特にローソンの「ローソンプラス」や「ローソンストア100」と九九プラスの「SHOP99」の共通点をうまく活かすことで、両社双方にメリットが生じると説明している。具体的には
・商品の共同開発と共同仕入れ
・物流の合理化
・本格的フランチャイズ化
・生鮮コンビニ強化
・出店に関する協力
・「ローソンストア100」と「SHOP99」統合に向けた取り組み
・業務提携推進委員会の発足
を挙げている。
「ローソンのローソンストア100とSHOP99って類似しているどころかモロ被るのでは」という疑問がわくが、これについては上記発表項目にもあるように将来的には統合する方向で話を進めていく。
2月28日に行われた記者会見では、株式の取得に留まらずローソンでは九九プラスに役員を派遣してグループ会社化し、今後は「ローソンストア100」は新たな出店はせず、今ある店舗についても九九プラスとの流通網などによる共有化を行い、最終的には両方の店舗を統合した上で、運営を(「100円ショップ」のノウハウと経験豊富な)九九プラスに任せる方針も語った。
ローソンの新浪剛史社長は
九九プラスは生鮮コンビニの圧倒的なシェアを持ち、商品開発力や店舗開発力の点でもパイオニアである。今回の提携により、新しいコンビニエンス作りの一助になると確信すると共に、既存店の活性化にも役立つと考えている。
とコメントしている。
コンビニは売り上げが低迷し、100円ショップはコンビニの多様化・類似化で差別化がしにくくなりメリットを失いこれまた低迷。ならば両者を融合してムダを省こうというのは、まったくもって合理的。主婦と子ども、老齢層への供給拡大を積極化するローソンと、それらの層にもウケが良い商品を展開している九九プラスの資本・業務提携は理にかなっているといえよう。
(最終更新:2013/08/22)
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