投信好きのシニア、継続購入意欲は7割・検討中も含めると9割が「買いたい」
2007年03月18日 11:30
投信評価及びコンサルティング機関の【三菱アセット・ブレインズ】とシニア向け市場のマーケティング事業を行っている【シニアコミュニケーション】は3月2日、50代以上のシニア層に対する「今後の投資信託の利用意向」をたずねた調査結果を発表した(【発表リリース、PDF】)。それによると現在投資信託を利用しているシニアの7割近くが何らかの形で「今後も利用するつもり」と答え、「現在検討中」「商品次第で検討」も含めると9割を超える層が継続意欲を示した。既存利用者における継続利用の意向が非常に高く、満足度は高いと両社では分析している。
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今調査は50歳以上の672人(男性対女性=424人対248人)に対し投資信託についてたずねたもので、「すでに利用している人」「まだ利用していない人」の2グループに大別した調査結果がレポートされている。ちなみに全体のうち投資信託を利用している人は260人で全体の38.7%。
簡単にその概要をまとめると、
●投資信託を利用している人のうち……
・今後も利用するつもり……男性70%/女性66%
・現在検討の視野に……男性3%/女性5%
・商品次第で検討の可能性……男性22%/女性22%
・利用するつもりはない……男性5%/女性7%
●投資信託を利用していない人のうち……
・利用するつもり……男性4%/女性5%
・現在検討の視野に……男性10%/女性11%
・商品次第で検討の可能性……男性43%/女性40%
・利用するつもりはない……男性42%/女性45%
●投資信託を購入していない三大理由は
・商品の良し悪しを判断するだけの知識がない
・まとまって運用するだけの資産がない
・利用、購入に対して漠然と怖さ、不安を感じていた
●投資信託に何があれば利用しやすくなるかの三大理由は
・金融商品に関する知識をしっかりと身につける
・商品自体や商品の説明資料などがもっとわかりやすくなる
・運用会社の運用技術に対する客観的な評価などがわかる
●投資信託に対する今後の運用への要望三大理由は
・特徴や自分にとってのメリットのわかりやすい商品が増えるとよい
・運用会社の運用技術の優劣がわかりやすくなるとよい
・申し込み、購入時だけではなく、保有、購入後も継続的に情報、アドバイスが得られるとよい
これらのデータからは「投資信託を利用している人は4割に満たないが、興味を持っている人は大勢いる」「しかし投資信託そのものへの知識不足や、情報開示不足、さらには客観的なデータが不足している」「保有した後も継続的なアフターケアを求めている」ことが分かる。典型的な客商売における基本が整備されていないということだろうか。
今後投資信託やその周辺業界においてはこれらの点を考慮し、「初心者にも分かりやすい解説などの啓蒙運動」「売りっぱなしではなく、継続的なお客へのサポート」が求められ、そのニーズを満たした商品・企業が人気を得ると推測される。
さらに相場展開がどのような形になっても、誠意をもってサポートする商品・企業が、長きに渡り愛されることになる。バブル崩壊後の対応にあった「売り逃げ」にしか見えないずさんな対応や姿勢から起きた「投信離れ」の二の舞は避けねば、と周辺業界も学習すべきだろう。
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