世界最高強度のアルミ合金を神戸製鋼所(5406)が開発、2008年度から実用化へ
2007年03月31日 10:00
【神戸製鋼所(5406)】は3月29日、独自の製造技術「スプレイフォーミング法」による、アルミ合金で世界最高強度を達成したと発表した。これにより現行の最強アルミ合金より約1割の強度が確認されている。現在は試作品製作段階だが、2008年度中を目標に量産に入るという(発表リリース)。
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リリースによるとスプレイフォーミング法とは、溶けたアルミを固体にする過程で急速に冷却する方法の一つ。今回この方法を用いることで、これまで不可能だった、アルミニウムに、亜鉛やマグネシウム、銅といった高強度化のための合金元素を高濃度に添加しながら、均一で微細な材料組織を作ることに成功した。
スプレイフォーミングのようす
なお今技術そのものは、試作が元々他の素材を量産している生産設備で行われたものであることから、量産化のシステム作りは比較的短期間ですむと神戸製鋼所側では見ている。
今回開発された「最強アルミ合金」だが、現在実用化されているアルミ合金で最も強度が高いWeldalite合金(ウェルダライト合金:スペースシャトル外部燃料タンクに使用されている)に比べて約1割の引張強度(引っ張られることに対する強さ)(710MPa→780MPa)、加工性(延性、壊れたり破断することなく変形する強さ)も、Weldalite合金との比較で3倍近くに向上(破断伸び:5%→14%)している。
神戸製鋼所側では今回開発された新型アルミ合金について、今後軽量、高強度でかつ良好な加工性を生かし、レーシングカーなどの特殊車両や、航空・宇宙機器などに使用する部材への適用を目指しているという。
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