加ト吉の循環取引疑惑、記者会見で説明・調査委員会を設置、4月にも結果を報告

2007年03月26日 06:30

株式イメージ先に【加ト吉(2873)に大型循環取引問題発覚、みずほ銀行とも問題・読売新聞報ず】でお伝えした、冷凍食品会社【加ト吉(2873)】における循環取引疑惑について同社が3月25日深夜、記者会見を行い、現在調査中であることを明らかにした([関連記事:日経新聞])。東証の適時開示情報や公式サイトには発表内容に関するリリースは発せられていない。

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記事になどによると、「循環取引」については監査法人が「複数取引先との間で帳簿上だけで売買を繰り返す循環取引の可能性を指摘した」こと、1月中旬には調査委員会を設置し、3月には公認会計士も加えて過去5年間の取引調査を続けていることなどを明らかにしている。4月には調査結果をまとめて報告する予定との事。

具体的には今年の1月に(公式リリースでも出されているように)岡山市の調理殺菌機製造会社小野食品興業が事実上の倒産をした後、取引先の精査を監査法人によって受けたところ、「循環取引」の可能性が明らかになった。

また、先の記事で可能性として指摘した「先週末の公式発表における取引先32社の倒産」が、やはり今「循環取引」と密接な係わり合いがあることも明らかにされた。加ト吉では今件をうけ、まずは2007年3月期の業績予想を下方修正するという。

先の読売新聞の記事にも登場し、今回の記者会見でも応答した同社島田稔専務は「取引先の倒産までは正常の取引と認識していた」と説明している。また同専務は「循環取引の有無は現段階では分からない。もしあったとすれば、われわれは被害者だ」「中小の企業は、対外的信用を得るため(加ト吉のような)大手を取引の間に入れたがる」と説明し、むしろ今件では加ト吉は被害者であり、加害者ではないと説明している。

IRなどからの正式コメントは本日9時以降に出されるとは思われるが、額の大きさや、内容次第では「粉飾決算」の可能性もあるため、東証の対応も含め今後の推移を注意深く見守りたいところである。

ちなみに本日26日は年度末の権利確定最終日。加ト吉は優待銘柄としても名を知られている。色々な思惑が売買において錯綜することだけは間違いない。


(最終更新:2013/08/22)

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