メタボ対策全国民体制・40歳から74歳に「特定健診」実施へ

2007年03月26日 12:30

肥満イメージ【asahi.com】が報じたところによると、【厚生労働省】が2008年4月から実施する「特定健康診査(特定健診)」において、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)など生活習慣病のリスクが高いグループとその予備軍を抽出し、レベル分けした上で指導を行うことが明らかになった。本日3月26日の特定健診に関する検討会でこの最終案を公表するという。

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特定健診は生活習慣病予防と医療費の抑制を目指し、2006年の医療制度改革に盛り込まれている。対象となるのは、健康保険組合や国民健康保険など、すべての保険者。自営業者や専業主婦も対象となる。

最終案によると特定健診では、「男性で腹囲85センチ」「女性で90センチ」(内臓脂肪面積 男女とも100平方センチ)以上をメタボリック症候群の候補と位置づける。さらに空腹時血糖値・血中脂質(高トリグリセライド血症、低HDKコレステロール血症)・血圧(130-85)のうち、(1)2点以上で問題ありの場合には「メタボリック症候群・積極的支援レベル」(2)1点で問題ありの場合には「メタボリック症候群予備群・動機付け支援レベル」(3)問題なしの場合は「情報提供レベル」に分類する。

さらに腹囲が基準未満でも、体重を身長の2乗で割ったBMI(体格指数)が25以上なら生活習慣病のハイリスク群とし、(1)から(3)のカテゴリーに分類。

(1)の人には、保健師や管理栄養士が食事のとり方や運動などの計画を作成。3か月間は面接や電話、メールで実行状況を確認し、励ます。半年後に身体や生活習慣が改善されたかどうかを確認する。(2)の人には計画作成と半年後の評価のみとし、(3)は文書で注意を促すにとどめる。

これらの費用は原則として保険者(国や自治体)が負担するが、保険者が本人に請求することも可能としている。

詳細は本日以降厚生労働省のサイトに掲載されるだろうが、事前の会議内容はたとえば【市町村国保における特定健診・保健指導実施にむけた関係者研修会】でも見つけることができる。

メタボリック症候群と病気の仕組み
メタボリック症候群と病気の仕組み

簡単にまとめると次のようになる。

・「男性で腹囲85センチ」「女性で90センチ」以上、あるいはBMI(体格指数)が25以上ならば「メタボ候補」
・「メタボ候補」の人は「血糖値」「血中脂質」「血圧」の3項目を測定。
(1)2項目以上なら「積極的支援レベル」…保健師や管理栄養士が計画作成。3か月間面接や電話、メールで実行状況を確認。半年後に成果確認。
(2)1項目なら計画作成と半年後の成果確認のみ。
(3)該当項目がなければ文書で注意勧告。


法人では従業員に対して年一度の法定健康診断を義務付けているが、それらのために行われる、社会保険事務所などでの健康診断で「肥満傾向」な人に対しては、栄養指導などが通達される仕組みがすでに存在している。今回最終案が提示され決定されるであろうこの仕組みは、この栄養指導の範囲をもっと広くし、サポートを強化したものになるのだろう。

強制力の有無や実行性、有効性についてはまだ未知数だが、それだけメタボリック症候群に対して関連官庁が真剣になっているというあかしとも受け止められよう。


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(最終更新:2013/08/22)

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