日本初の無料ネット科学誌「科学技術コミュニケーション」3月15日に創刊
2007年03月12日 08:00
【北海道新聞】によると、科学のお話を分かりやすく多くの人に伝えると共に、科学者と市民との橋渡し役を果たすという、ネット専門誌「科学技術コミュニケーション」が3月15日に創刊(公開開始)するという。北海道大学のネット図書館【HUSCAP(ハスカップ)】に収録されるとのこと。年2回発刊予定。
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元記事によると制作元は北海道大学内の教育組織で市民と科学者との媒介者を育てるという【北大科学技術コミュニケーター養成ユニット】。科学を語り合う喫茶店【サイエンス・カフェ】の支援や中高学校への出前授業を行い、科学好きな人材育成を進めたり、科学者と市民との接点を探る研究も実施。
今回発刊される「科学技術コミュニケーション」には、科学技術を通じたコミュニケーションの場を創り、情報の共有化を図る狙いがあるという。投稿は誰にでも出来、編集委員会で審査した上で掲載するとのこと。その編集委員には北大科学技術コミュニケーター養成ユニットの教員5人に加え、東工大教授や京大助教授らアドバイザー4人も参加。
創刊号はA4・140ページ。特集は遺伝子組み替え作物栽培のコンセンサス会議。300部が紙に印刷されて、3月17日に北大理学部で行うシンポジウムでも配られるという。
このような科学専門誌のオンライン版はイタリアなどヨーロッパには存在するが日本では初めてとのこと。「市民と科学者との媒介」というくらいだからできるだけ平素な表現で語られているのだろうし、イメージ的には子ども向け教本「科学と学習」が頭に思い浮かぶ。
一方、技術者の語りは得てして専門的なテクニカルターム(技術用語)に偏りがちで、一般の人からすれば「宇宙人の言葉みたい」としか思えず、はてなマークが1グロス単位で脳細胞に刻み込まれることになる。出来の悪いパソコンや電化製品の説明書がよい例だ。「市民と科学者」を隔てる最大のハードルはそこにあるわけで、果たして「科学技術コミュニケーション」がそこに気づいていて、それを克服すべく努力をしているのかどうか。3月15日に公開されるという創刊号が気になるところだ。
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