「日本は世界で2番目に豊か」・経済ランキング、日本は第何番目?

2007年03月21日 08:00

金イメージ【オールアバウトジャパン(2454)】では3月19日、先の【フォーブスでの長者番付の記事】になぞらえて、日本が経済的にどのくらいの順位にいるのかというランキングを経済的な面から考察した【日本は世界で何番目に○○な国? マネー編】を掲載した。色々考えさせられるところがあるので、かいつまんで紹介。

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●「日本は世界でアメリカについで2番目に豊か」

元記事ではまず例の「フォーブスの億万長者ランキング」を説明したあと、「世界の資産家の上位1%の国籍」の統計を取り、さらに人口なども勘案した上で、「アメリカがトップ、日本が第二位で、この二国で6割以上『世界の資産家上位1%がいる』」としている。ちなみにそれに続くのはイギリス、フランス、イタリアとのこと。

確かに【自分は世界で何番目の年収!? 自分の年収が世界何位かが分かるサイト「Global Rich List」】にもあるように「世界中押しなべて考えればそうかもしれないなぁ」と思うところはあるが、その国の中の資産の分散の割合はまた別の話。

お金イメージさらに、「日本が2番目に豊か」とされた統計は2006年度のもので、フォーブスの2007年度版のデータでは、アメリカのトップは変わらないもののインドやロシア、中国(香港含む)が躍進している。この1年で大きく変動したのか、あるいは「フォーブスの基準による金持ち(資産10億ドル以上)」以下「世界の資産家上位1%以内」という、「超がつかないお金持ち」が日本には多いのだろうか。

●庶民の資産ランキングでは日本は世界で第五位

ならば気になるのは「我々一般庶民の個人資産はどうよ」というもの。それについてはやはり2006年度統計データではあるが、日本はルクセンブルク、スイス、アメリカ、イギリスに次いで第五位。アメリカドルで12万4858ドル(約1500万円)の資産を平均的に持っているとのこと。……え~。これもやはり「平均で」なのだろうな、と自分を振り返って思う当方であった(笑)。

ちなみにトップのルクセンブルクは、フランスとベルギー、ドイツに挟まれた2600平方キロメートル足らずの小国(面積で神奈川県程度)ではあるが、ヨーロッパの中でも非常に裕福な国として知られている。鉄鋼業が盛んで、これが国の経済を支えているとのこと。

●エンゲル係数は日本では第六位

今はあまり使われなくなったが、支出に占める食費の割合こと「エンゲル係数」は日本ではスリランカ、インド、メキシコ、タイ、韓国についで第六位。14.7%。ちなみに世界でもっともお金持ちなアメリカは第十九位の7.2%。もちろん「日本人はアメリカ人の2倍、ご飯を食べている」というわけではない。

元記事では「アメリカは主食の食品価格が安い」「外食費が含まれていないのも一因か」と分析している。ピザとかハンバーガーショップでの食事など、ファストフードを計算に入れたら、アメリカも順位が跳ね上がる、などということになったらそれはそれで問題なのだが。

●住居費の高さは世界で第三位の位置にある日本

お金イメージ支出全体に占める「住居費」の割合は、日本はスウェーデンの29.6%やデンマークの28.0%に続き第三位、25.6%。賃貸住宅を借りる際、家賃の目安は収入の25%±10%という話をよく聞くが、まさにそれを日本では実践しているということになる。あるいは知らず知らずのうちに経験からデータを推計しているのだろうか。

ただ、同時に日本では他の上位諸国(ドイツ、カナダ、フランス)などと比べて、住居環境に優れているような印象はない。そもそも「支出に占める住居費の割合」であり絶対額ではないし、住宅そのものの相場の違いも考慮に入れねばならない。

住居費の割合が上位でも、そのままイコール住居環境に優れているわけではないので。悲しいけどこれ、現実なのよね。

●医療費はアメリカがトップ、日本は第十三位

元記事では他にも色々と興味深いランキングが掲載されているが、ここではあと一つだけ、医療費の割合ランキングについて触れてみる。このランキングではアメリカが桁違いのダントツで第一位・16.4%。第二位のインド・7.3%の2倍以上。日本は第十三位の3.6%。

アメリカでは元記事でも指摘されているように、公的な健康保険制度は高齢者や低所得者層向けで、それ以外の人は民間の医療保険(有料)に入る。一方日本では「国民皆保険」のスローガンのもと、原則的に全国民が何らかの公的保険に加入し、医療費の三割負担で済むだけでなく、高額療養費制度などを用いることで一定の自己負担額以上は国から返してもらえる仕組みが用意されている。

このランキングは単に「医療制度に優れている」というものではなく、「自己負担か公的負担か」という国ごとの性格付けを表しているといえよう。

●ランキングが表すもの、表さないもの

他にも元記事では教育部門など、興味深いさまざまなランキングが掲載されている。こういう「後々まで役立つ資料的データ記事」という点では、オールアバウトは時々クリティカルヒット的なものを出すのであなどれない。

それはさておき。今回のランキングはそもそもトリビア的(知っていてもさほど生活には役立たない、けれども気になる知識)なもの。国全体としてのランキングであるし、庶民を対象にしたものでも、あまり自分自身には関係のないようなものも多い。

さらにあくまでもこれらの順位は「上位の特定対象者」あるいは「平均」であるので、それぞれの国内部の分散度合はまた別の話。今流行りの「格差社会」ではないが、それぞれのランキング対象となる統計データについて、分散度合が分かるのなら、それはまた別の結果が導き出せる可能性はある。

とはいえ、ちょっと時間ができて、お茶やコーヒーを片手にふと物思いにふけりたい、あるいは一息つきたい時に、自分の視点をワールドワイドに広げてみるのはどうだろう。これらのランキングを見ながら、「自分は今、どのようなポジションにいるのかな、世界的に見て」と振り返ってみるのも、おもむきがある時間の過ごし方かもしれない。


(最終更新:2013/08/22)

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