2か月で40%の脂肪減も! 牛乳成分「ラクトフェリン」が内臓脂肪を抑える効果、人間でも確認

2007年03月21日 19:30

肥満イメージ[ライオン(4912)]などは3月19日、牛乳や母乳に含まれるたんぱく質の一種である「ラクトフェリン」が、人間の内臓脂肪の低減に有効であることを確認したと発表した(【発表リリース】)。ラクトフェリンが脂肪を減らす効果があるらしいことは以前から動物実験などで知られていたが、人間の脂肪への効力を確認したのは今回がはじめて。メタボリック症候群への対応が期待される。

スポンサードリンク

ラクトフェリンの2か月摂取で
最大40%の内蔵脂肪面積が減った。
平均でも22%、ウエストサイズで4%減

ラクトフェリンは哺乳動物の乳に含まれており、人の母乳、特に出産後数日の間に多く分泌される「初乳」に多く認めれるたんぱく質成分。細菌やウイルスからの攻撃を防ぐ防御因子としての効用を持ち、整腸作用や大腸がん予防の効果を持つなどとして注目されている。

今回の研究は京都府立医科大学、国立がんセンター研究所との共同によるもの。男性8人と女性4人の成人に対し、ラクトフェリンを300ミリグラム相当分を二か月毎日摂取させた。ラクトフェリンそのものは熱や酸、酵素に弱くそのまま摂取したのでは腸に届く前に胃酸で溶けてしまうので、「胃酸では溶けず腸で解ける加工」を施したラクトフェリンタブレットを利用。さらに二か月の間は食事制限や運動負荷など、他の要因は加えなかった。

この結果、二か月後の被験者の平均として、腹部CT断面による内臓脂肪面積で22%減、ウエストサイズで4%の有意な内臓脂肪低減効果を確認できた。中には内臓脂肪面積で40%の効果が出た人もいたという。

被験者全体の結果平均
被験者全体の結果平均
もっとも効果が出た人のCT断面図。ぱっと見でもかなり違うのがわかる。これ、マジ?
もっとも効果が出た人のCT断面図。ぱっと見でもかなり違うのがわかる。これ、マジ?

これらの結果から、ラクトフェリンがメタボリック症候群などにおける「内臓脂肪の蓄積」の低減が「人間に対しても」有効である可能性を十分に示したと結論付けている。

ライオンでは今回の研究結果を受けて、この技術を機能性食品・特定保健用食品など、メディカルヘルスケア分野に活用するという。早ければ9月末までに栄養補助食品として商品化したい考えと一部報道では伝えられている。

簡単にまとめると「牛乳成分のラクトフェリンでメタボな内蔵を減らせる可能性が高い」ということ。そしてライオンが「このラクトフェリンの効用をうまく働かせる仕組みを取り組んだ商品を出す予定」であるということになる。

オーダーメイド医療の話などにもあるように、人によって効果の出具合は変わってくるだろう。また、人間での検証結果も初期段階にあるといえ、今後さらなる検証が必要になるにも違いない。安全性には元々母乳や牛乳の成分だから、変な加工をしない限り問題はない分、期待が持てよう。

当方のように胃腸の関係で普通の状態の牛乳を飲めない人にとっては、商品としての発売が待ち遠しいことだろう。


■関連記事:
【牛乳の成分「ラクトフェリン」が放射線障害から体を守る!?】

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ